揚洲周延画「欧洲管絃楽合奏之図」1889 日本近代音楽館蔵

東京オペラシティ アートギャラリーでは12月23日まで、「五線譜に描いた夢 ─ 日本近代音楽の150年」を開催している。

日本の近代音楽の歩みをたどる

日本の音楽は19世紀後半に西洋近代の文化と接触することによって、新たなスタートを切った。幕末・明治に日本人が初めて西洋音楽に触れてから今日まで150年、現代の思想や文化にもつながる大転換期を日本人は経験した。

同展は、明治学院大学図書館付属日本近代音楽館に保管・公開されている約50万点の資料を厳選し、更に日本各地の博物館、資料館、図書館などの機関や、個人所蔵の資料を加えた約300点によって、日本近代音楽の歩みをたどるもの。文化史を軸に、日本人がどのように西洋音楽を受け入れ、どのように音楽と向き合い、自分たちの音楽を創り上げてきたかを探求する。それは同時に、日本人にとっての音楽とは何かを問いかける試みとなるという。

戸田邦雄 12音技法研究試作楽譜(手製五線紙) 1948頃 日本近代音楽館蔵

展示は、楽譜、楽器、書簡、公演プログラム、レコード、絵画などの多様な資料によって構成。さらに、時代の息吹を実感できるように、時代背景を分かりやすく映像で伝えるコーナーを、「I.幕末から明治へ」「II.大正モダニズムと音楽」「III.昭和の戦争と音楽」「IV.『戦後』から21世紀へ」の4つのセクションに設けている。

時代の変化を詳細に映し出す構成は、150年という歴史をまさに駆け抜けるかのように体感できる。また、実際の音楽を聴くことで、視覚だけでなく聴覚を通じて実感することができるという。

開催日時は、10月11日~12月23日 11時~19時(金・土は20時まで/最終入場は閉館の30分前まで)。休館日は、月曜日(祝日の場合は翌火曜日)。会場は、東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)。入場料は、一般1,000円/大・高生800円/中・小生600円。その他、詳細は同イベント特設ページにて確認できる。