武井壮が「2三かくニャー」と指したところで、渡辺竜王が「1一ふニャー」と受けたのだ。これは武井壮の「ひしゃニャー」の動きを牽制しての手だが、これに武井壮は長考。悩みながらも「1二ふニャー」と指し、これが大正解であった。

武井壮が2三かくニャーと指すと

渡辺竜王が1一ふニャー、そして武井壮が1二ふニャー

その後、渡辺竜王が「3三ひしゃニャー」、武井壮が「1一ふニャー」と進み、成って「キリっとニャー」に。渡辺竜王は構わず「2三ひしゃニャー かくニャー取り」とし、武井壮が「同ひしゃニャー」でこれを取るなど、激しい攻防が繰り広げられた。

渡辺竜王が3三ひしゃニャー

武井壮は1一ふニャーでキリっとニャーに成る

王手がかかり、追い詰められた渡辺竜王だが、「おーさまニャー」を後退させ、「1一おーさまニャー」として「ふニャー」を取る粘りを見せる。もうずっと一手ごとに悩み続ける武井壮は、持ち駒を使って「2二かくニャー」とさらに追撃。

渡辺竜王がおーさまニャーを後退させる

武井壮がすかさず追撃

渡辺竜王が「2一おーさまニャー」と逃げれば、武井壮が「1一ひしゃニャー」と追いかける。さらに「3二おーさまニャー」とした渡辺竜王だったが、ここで武井壮が指した「3三ふニャー」がトドメとなり、見事に武井壮の勝利となったのだった。

活路を見出そうとする渡辺竜王だが……

武井壮が着実に追い詰めていく

見事、武井壮の勝利!

ニコ生コメントでは、もうずいぶん前の段階で勝負がついていることが指摘されていたが、そこからの渡辺竜王の粘りが驚異的だった。また、一つでも手を間違えれば逆転というプレッシャーの中、途中からはニコ生コメントを参照することもせず指しきった武井壮の戦いぶりも見事だったといえる。

予想以上に白熱した戦いに、MCの岡本信彦や女流棋士の北尾まどか二段も大興奮。ニコ生の視聴者からも武井壮の健闘を称えるコメントが並んだ。

勝負を終えた武井壮は、「渡辺竜王の表情がぴくりとも動かなくて、威圧感がすごかった。最後、王手したときも負けるんじゃないかと思った」と、改めて渡辺竜王の迫力に驚嘆。これに渡辺竜王は「間違えてもらおうと思って(笑)」とニヤリ。勝負師としての一面がかいま見えた対局となった。

大金星(?)

番組ラストには『3月のライオン』最新刊に関するトークも行われ、そこでは武井壮が珍しく(?)真面目に「好きなキャラクターは零。自分も最初はスポーツが好きではなくて、褒められるからやっていた。でもやっているうちに好きになっていった。そういうところがシンクロする」とコメント。「勝負は勝ったり負けたり。でもそれは人との勝負ではなく自分との勝負。昨日よりも今日の自分が勝っていれば勝利なんです」と元陸上選手らしい勝負哲学を披露し、ニコ生視聴者からは「いいコメントだな」「根は真面目だよね」といったコメントが寄せられていた。

『3月のライオン』第9巻は現在発売中。また、渡辺竜王と森内名人が激突する第26期竜王戦七番勝負は、10月17日よりニコニコ生放送で完全生中継される。