TOKYO FM/JFNは10月5日、大学生を対象とした特別授業『三菱商事 presents FMフェスティバル2013 未来授業~明日の日本人たちへ』の公開収録を実施した。講師には建築家・東京大学名誉教授 安藤忠雄氏、東京工業大学教授 池上彰氏、マサチューセッツ工科大学メディアラボ助教 スプツニ子! 氏、際政治学者・聖学院大学教授 姜尚中氏を迎え1時限から4時限まで開催し、学生の熱気に包まれた。
「いい質問」とは何か? 学生と議論!
3時限目には池上彰氏が登場し、「未来を生き抜く『武器』としての教養 大学で何を学ぶか」というテーマで特別授業を展開した。事前に出されていた「いい質問とは何ですか」「講義が面白くなるように、私に"いい質問"をしてください」という2点の宿題をもとに学生と議論。
学生が「いい質問とは、"相手の弱みをつく質問"だと思います」と答えると、池上氏は「それはどういう意味?」と、どんどん内容を掘り下げていく。最終的には「君の言う"相手の弱みをつく"とはつまり"相手の論理の弱みをつく"ということだな」と整理し、「税金の直間比率の見直しについて論議をする」と言われたときに、それは「消費税を上げるということ」だと問題を指摘する、といった例を挙げた。
また、学生から出た「教養と常識の違いって何ですか?」という"いい質問"についても、「こういうときは、常識のない人とは? 教養のない人とは? と、反対のことを考えるとわかりやすいですよ」とアドバイスしながら、会場全体に質問を投げかけ様々な意見を引き出す。「常識というのは現実の様々なルールを肯定すること」「教養というのは、歴史を知っていること」と定義した上で「常識には改革する力を持たないが、教養は改革をする力がある」と池上氏の思う結論を導き出した。
大学時代にやるべきこととは?
他にも「わかりやすい説明とは、因数分解だと気づいた」「適度な懐疑心をもって、批判的に読むこと」「学び続けるための基礎力をつけるのが大学時代だ」と、次々明言が飛び出す。会場の学生は熱心にメモを取るも、その姿を見た池上さんから「という話をすると、みんなうんうんうなずいて無批判に受け止めるところに問題があるわけだな(笑)。あくまで、例えばだよ。最終的には、君たちが判断すること」と忠告を受け、引き締まった空気となった。
この授業の模様は、脳科学者の茂木健一郎氏が総合司会を務めるスペシャルプログラムとして、TOKYO FMをはじめとするJFN38局で放送される予定。11月4日16:00~19:00に池上彰氏、安藤忠雄氏、スプツニ子! 氏の授業が、11月9日22:00~22:55に別会場で行われた倉本聰氏、長沼毅氏の授業が放送される。また10月13日にはプレスペシャルとして、姜尚中氏の授業を19:00~19:55、東京ローカルで放送予定とのこと。詳細は特設サイトを参照。