内閣府宇宙戦略室はこのほど、『2013年度宇宙開発利用大賞』の受賞者を決定した。内閣総理大臣賞には、宇宙を利用した漁場探索技術を確立した漁業情報サービスセンターが選ばれた。

宇宙開発利用大賞は、宇宙基本計画における基本方針の1つ「宇宙利用の拡大」を促進することを目的としたもので、今回が第1回目。宇宙開発利用の推進において大きな成果を収め、先導的な取り組みを行うなど、「宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした事例」に対し、その功績をたたえることで、日本における宇宙開発利用の進展、ならびに宇宙開発利用に対する国民の認識と理解の醸成に寄与することを目指している。

今回、内閣総理大臣賞に選ばれたのは漁業情報サービスセンター。同法人は1985年以来、衛星情報を利用した漁場の探索技術を確立し、衛星利用海況情報を漁業者へ提供することで、「科学と縁遠い『勘と経験の漁業』と『先端技術の宇宙開発』とを結びつけ、漁業の近代化をもたらした」という。これにより、高騰する燃油を16.1%節約したほか、漁業の近代化により若い船頭が増え、漁業の最大の課題である後継者の育成に寄与したとしている。

2013年度宇宙開発利用大賞 受賞事例一覧(出典:内閣府Webサイト)

内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞は、日立造船の神崎政之氏、林稔氏、北海道大学の野口伸氏の3氏が受賞。受賞者は、将来の農機IT自動走行を目標として、準天頂衛星からの補強信号を利用した高精度リアルタイム測位を行い、低速移動体である農機のアシスト走行を実証した。これにより、準天頂衛星の利用が、IT農業をはじめIT施工など幅広い分野で有効な手段であることを証明し、準天頂衛星の利用を促進したという。

このほかの受賞者は、総務大臣賞に情報通信研究機構の田中正人氏、木村和宏氏(準天頂衛星に関する研究と提案)、文部科学大臣賞に衛星設計コンテスト実行委員会(高校生から大学院生までを対象とした『衛星設計コンテスト』による宇宙の啓蒙と次世代宇宙工学技術者等の育成事業)、経済産業大臣賞に九州工業大学宇宙環境技術ラボラトリー(宇宙環境技術に関する産学官連携研究と国際標準化に関する活動)などとなっている。

なお、選考の結果、環境大臣賞は該当なしとなった。

表彰式は、10月10日に科学技術館にて開催する「宇宙政策セミナー」と同時に実施する。