スバル、次世代「アイサイト」(EyeSight)を発表

富士重工業は2日、ステレオカメラの認識技術刷新と操舵制御を追加して、安全性能向上と運転負荷軽減を実現したという次世代「アイサイト」(EyeSight)を発表した。

現在の先進運転支援システム「EyeSight(ver.2)」は、ステレオカメラで距離を測定し物体を認識しており、自動車だけではなく、歩行者、自転車、自動二輪車、白線(車線)をも認識し、制御できることが特長。自動ブレーキによって車両を減速・停止させる「プリクラッシュブレーキ」など、多くの運転支援機能を実現しながらも10万円(税抜き)という手頃な価格設定により、搭載車の国内累計販売台数は15万台を超えている。

今回発表された次世代アイサイトは、ステレオカメラの視野角と視認距離を共に約40%拡大し、カラー画像化も実現。これにより、視認範囲拡大、物体認識精度向上、ブレーキランプ点灯・赤信号の認識を可能とし、同システムによる衝突回避、衝突被害軽減、運転負荷軽減などの各種性能を進化させている。

主な新機能である「レーンキープアシスト」は、走行車線両側の白線を認識し操舵制御を行うことで車線中央の走行を維持する「車線中央維持」機能および、白線からはみ出しそうになるとハンドルに逸脱を抑制する力を加える「車線逸脱抑制」機能を持ち、安全性向上とさらなる運転負荷軽減を実現。

さらに、先行車のブレーキランプの点灯認識を実現し、全車速追従機能付きクルーズコントロール使用時に、減速タイミングを従来機能と比較してさらに早めることで、衝突回避および衝突被害軽減を図るという。

そのほかの新機能や改良点として、前方障害物に衝突する可能性が高い場合に自動的で急ブレーキをかける「プリクラッシュブレーキ」の働く相対速度を、約30km/hから約50km/hへ向上。「全車速追従機能付クルーズコントロール」では、先行車への加速・減速応答性を高めたほか、先行車のブレーキランプの点灯状態を検出して早めの減速を可能にする新機能を追加。後退時のアクセルの急な踏み込みや高い後退速度を検出した場合に、警報での警告とエンジン出力の制限を行う新機能「AT誤後進抑制制御」の追加。先行車等の前方障害物と衝突可能性が高いと判断した場合、VDCの車両統合制御技術により、ドライバーの衝突回避操舵をアシストする新機能「危険回避アシスト」の追加などがある。