au損害保険は1日、自転車事故重視の交通事故の保険『あ・う・て「じてんしゃ Bycle(バイクル)」』の提供を開始した。また同社は、顧客に「あんしん、うれしい、ていねい」な保険商品を提供する新しい保険商品ブランド「あ・う・て」を同日よりスタート。同社はこれに先立ち、9月18日、同ブランドと「Bycle(バイクル)」に関する発表会を行っており、本記事では、その内容もお伝えしたい。
au損保によると、「あ・う・て」とは、保険を通じ「あんしん」を中心にau損保が提供と実現を約束するとする「3つ」をワード(あんしん、うれしい、ていねい)で表現、その頭文字を配したau損保オリジナルのコンセプトおよびブランドネーム。
同社では、このブランドコンセプトを反映し、2013年10月1日以降に補償を開始する商品について、内容を改定した。
その商品である、自転車事故重視の交通事故の保険『あ・う・て「じてんしゃ Bycle(バイクル)」』の主なポイントは以下の通り。
ポイント1: 自転車事故によるケガの場合は保険金が2倍
ポイント2: 万が一の加害事故時に安心な、示談代行サービスを付帯
ポイント3: 自転車ロードサービスもセット
昨今の自転車ブームや自転車事故への高額損害賠償判決による顧客のニーズ変化と、同社の新保険商品ブランド「あ・う・て」のコンセプトを反映し、これまでに好評だった「新自転車ワイドプラン」の補償内容・付帯サービスを一層充実させている。
9月18日に行われた新商品ブランド「あ・う・て」の発表会では、同社の柳保幸専務取締役が、「あ・う・て」と「じてんしゃ Bycle(バイクル)」について、プレゼンテーションを行った。
柳氏はまず、自転車保険の環境変化について説明。自動車が日本で約8000万台、自転車は7000万台で、規模的には同じ。一方、道路整備、道路事情となると、自動車を中心に道路整備されているが、自転車が走行するとなると遅れているのが現状。また、自動車は免許制度があるが、自転車はない。法律は道路交通法は自動車と自転車が同じで、自転車は軽車両として位置づけられている。
2001年からの10年間、交通事故全体は減っているが、全交通事故に占める自転車に関連する事故のウェートは高まっている。また、自転車と歩行者の事故、自動車と歩行者の事故の比較では、自動車と歩行者の事故はこの10年間で激減している一方、自転車と歩行者の事故は50%ほど増えている。
このことを保険の世界からみると、自動車の場合は自賠責保険に100%近く入っている。任意保険もかなりの普及率で73%だが、賠償責任額では自動車は無制限というのが主流。自転車はどうかというと、自賠責保険はなく、任意保険だけであり、主流になるのは賠償が1000万円から1億円ぐらいだという。
これまではこうした状況だったが、au損保のプラン別構成比(契約件数)をみると、7月4日の高額賠償の報道により、賠償額が1億円のプランが急増。柳氏は、今までは、「自分は事故をしないので、最低限の自転車保険をお守りとして付保しておけばよい」という人が多かったのが、これからは、「どんな自転車保険に、どの程度の補償で、子供を含めた家族全員が対象となる自転車保険への加入が必要な時代」になると話した。
au損保のカスタマーセンターには、7月4日の高額賠償の報道以降、平均1.6倍の入電数があり、示談代行サービスはないのかという問い合わせが多かった。自転車専門誌、各種メディアなどにおけるサイクリストの人たちからは、示談代行サービスのほか、自転車ロードサービスがほしいという声が多くあったという。
こうした声をもとに、au損保では「こういう保険があったらいいな」という自転車保険『あ・う・て「じてんしゃ Bycle(バイクル)」』を開発。まず、高額な賠償支払いに備えられる(賠償責任額最大1億円)、交通事故全般に関わるケガを確実に補償、相手を傷つけたときの示談対応、ロードサービス。さらに、契約年齢条件を拡大し、年齢について、64歳までだったのを74歳までに引き上げ、20歳以上だったのを18歳以上に引き下げ。さらに、被害事故に遭い弁護士に委任した場合にはその費用を負担。また、自転車に乗っているときと乗っていないときの差をつけて、自転車に乗っているときは倍の保険金を支払うとした。
柳氏は、「au損保は安心をお届けするわけですから、安心を徹底的に追求した商品、サービスを開発して、丁寧にお客さんにお届けをして、お客様に嬉しいという思いを感じていただく、そういう保険会社を目指していきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします」とプレゼンテーションを締めくくった。