公開初日を迎えた特撮ヒロイン映画『白魔女学園』の初日舞台挨拶が21日、東京・新宿バルト9で行われ、アイドルグループのでんぱ組.inc、山谷花純、小宮有紗、ナレーションのタカオユキ、坂本浩一監督が登壇した。

左からタカオユキ、山谷花純、小宮有紗、相沢梨紗、最上もが、夢眠ねむ、古川未鈴、成瀬瑛美、藤咲彩音

『白魔女学園』はテレビ朝日と東映による共同制作の特撮ヒロイン映画で、『仮面ライダーフォーゼ』や『パワーレンジャー』シリーズ、現在放送中の『獣電戦隊キョウリュウジャー』で知られる坂本浩一監督と、『けいおん!!』や『ガールズ&パンツァー』の脚本家・吉田玲子がタッグを組んだ作品。舞台は魔女を育成する白魔女学園で、心に「痛み」を抱える少女たちが、上級生たちから課せられた厳しい訓練(エチュード)を経て、魔女の能力に目覚めていく姿、美しくも悲しいバトルロイヤルが描かれる。アクション監督も兼任している坂本監督による、少女たちの壮絶なアクションシーンも見どころとなっている。

舞台上では、でんぱ組.incの最上もが、夢眠ねむ、古川未鈴、成瀬瑛美、藤咲彩音、相沢梨紗の6人が『白魔女学園』参加して苦労した点、印象に残った点を一人ずつ語っていった。白鳥もがを演じる最上は、登場時に坂本監督が一際大きな喝采を浴びたことについて「とりあえず坂本監督の人気に嫉妬しました(笑)」と笑いを誘いつつ、「本格的なアクションに挑戦したので思うように身体が動かず、筋肉痛に悩まされる日々でした。立ち回りがうまくいかず悔しい部分もありますが、精いっぱいやりました!」と、作品に全力で取り組んだことをアピールした。

「全編を通じてドンくさい感じで(笑)」と自身の役柄を表現した、綿貫ねむ役の夢眠は「おぼれたり、走るの遅かったりとか。アクションもままならなかったんですけど、それでも監督やアクションの先生のご指導のもと、ドンくさいなりに俊敏なアクションをしてますので、ぜひ観てください~」と笑顔を見せた。雪野美鈴を演じた古川は「私の演じる美鈴は、アクションというよりかは、ビビりシーンが多かったというか。終始オドオドしてるキャラでした。コテンパン(笑)にやられるシーンが多いので、その辺にも注目していただければと思います」と、見どころを解説した。

続く小田巻瑛美役の成瀬が「私が演じた小田巻瑛美ちゃんは、今はまだやんわりとしか言えないんですけど……けっこうメンバーを攻撃する役です」と言うと、即座にメンバーから「言っちゃってるよ!」と一斉にツッコミが。さらに「最初、脚本を拝見したときに『あっ、メンバーに対してこんなことできるのかな』っていう思いがすごくあって。私、根がすごく優しいもので……」と話していると、またもや「ええ~ッ!?」とメンバーから強烈なリアクションが巻き起こる。成瀬は「あまりそういうのできないんじゃないかな、と思ったんですけど、撮影に入ると、坂本監督が手取り足取り教えてくださって……もう、なぜ(みんな)そんなに笑うの!(笑)」と、周囲からのリアクションの多さに困惑した様子。すかさず坂本監督が「みんな瑛美ちゃんが大好きだからね!」とフォローを入れる一幕も。

特撮番組を見て研究を重ねたという、塩見彩音を演じる藤咲は「やるよりやられる側なんですが、いかに痛い顔をするか、どこらへんを攻撃されているかをわかりやすく表現するか、すごく難しかったです。敵役のほうが好きなんですけど、やられる演技を自分で表現するのって難しいんだなあと身に染みて? わかりました」と、演技面の苦労を語った。でんぱ組.incの中では、唯一の上級生となる菊田梨紗を演じる相沢は「実は私、私生活ではあまり俊敏なほうではなく、今回はドジな本性の部分を見せないように、どれだけカッコよく見せられるかというのが課題でした。銃を使うシーンもあったりしますので、ぜひぜひ、楽しんでもらえたらうれしいです」と、アクションシーンの見どころを強調した。

続いて、山谷と小宮にでんぱ組.incと共演した感想を尋ねると、次のような答えが。白鳥かすみ役の山谷は「今のあいさつでわかったと思うんですけど、彼女たちはすごくにぎやかでしたね。カメラが回ってないところでも(笑)。スケジュール的にはすごく厳しい中だったんですけども、現場ではいつも笑顔が絶えなくて、その笑顔からいつも元気をもらってました!」。このうれしいコメントに、でんぱ組.incのメンバー全員から「うわぁ~!」と歓声があがる。山谷は続けて「キャストの中でも、もがちゃんと一緒のシーンが多くて、もが姉ちゃんに助けてもらうところがたくさんありました。またご一緒できたらと思ってます」と、最上との再共演を望んでいた。

三雲杏を演じる小宮は「いやあ、でんぱ組.incはすごかった! さっき花純ちゃんが言っていたとおり、個性豊かな6人です」と率直な感想を述べた後、「私は先輩役だったので、主に梨紗ちゃんと一緒だったんですけど、梨紗ちゃん、役とは打って変わってねえ~(笑)」と話すと、メンバーからは「ええ~っ!?」と再び大きなリアクションが。小宮は続けて「役柄と違って、普段はすごく可愛らしい方でした。私と梨紗ちゃんと、菱餅ニゲラ役の高良光莉ちゃんと3人でダンスの練習をしたよね」と、上級生役3人の仲の良さも明かした。また、坂本監督の「でんぱ組.inc風自己紹介の練習もしてたよね」という言葉を受けて、小宮は「私の自己紹介は完成しなかったんですよ(笑) 休憩時間も和気藹々としていて、私たちも仲間に入れてもらって楽しくできたので、本当にありがとうございますという気持ち。それが自然と作品に出てますね!」と、でんぱ組.incの明るさ、元気さを称えていた。

プレミア先行上映会では、本作のでんぱ組.incを「アイドルを捨てたかのような迫力」を表現していた、ナレーション担当のタカオユキは「この映画は、まずストーリーがすごく先が想像つかない、結末はどうなるんだろうとドキドキしながら見られるストーリーにやられました。そして、でんぱ組.incのすごい迫力の演技に惚れました。アクションやストーリーの魅力を、ぜひみなさんに堪能してほしいなと思います」と、本作の見どころを語った。

そして、坂本監督は「今回の企画は、でんぱ組.incが出演し、アニメ作品で活躍されている吉田玲子さんが脚本を手がけ、そして特撮作品を撮っている僕が監督をしています。アイドルファン、アニメファン、特撮ファン、すべての方々に楽しんでいただけるような作品になっていると思います。ジャンルの垣根を取っ払って、観て楽しんでください」と語り、本作がジャンルを超えた作品になることへ期待を寄せた。

その後、でんぱ組.incが主題歌「W.W.D II」を生歌で披露するという嬉しいサプライズも。6分30秒にもわたる長尺の歌とダンスによる熱いパフォーマンスで、満場の客席を大いに沸かせていた。

最後に、最上が「本当に1本の映画を作るのにたくさんのスタッフの方が撮影に協力してくださってて、ここで上映するのもたくさんの方が関わってくださっていて、少しでもでんぱ組.incを応援してくださる方が増えてるのを実感しています。本当にみんなが全力で真剣にやった演技なんです」と感慨深げに話し、「もしかしたら、でんぱ組.incを知っている人が笑っちゃうシーンもたくさんあると思うんです。でも本当に面白い作品なので、観終わった後、周りの方に薦めていただけるとうれしいです!」と本作をアピールし、舞台あいさつを締めくくった。

映画『白魔女学園』は9月21日より、新宿バルト9ほかにて公開中。また、全10話のネットムービーを世界同時配信中。