松本人志監督作『R100』(10月5日公開)が、5日に開幕した第38回トロント国際映画祭の「ミッドナイト・マッドネス(MIDNIGHT MADNESS)部門」で正式上映され、地元誌を中心に高評価を得ている。

トロントで初の舞台あいさつを行い、「最後まで凄いテンションで盛り上がってもらって感動しました」と喜んでいた松本人志監督

現在、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、中国、インドといった約20カ国のバイヤーからの購入オファーが来ているという本作。アメリカでは公開に向けて、最終調整が行われている。トロントの大手月刊誌『Exclaim』は10段階中の8をつけ、「『R100』は驚きにあふれたアートであり、非常にスペシャルでユニークなシネマである。ジョン・ウォーターズやデイビッド・リンチのスタイルが好きな観客に、あの不思議で奇妙な世界観を大いに感じさせてくれるこの作品は、まさに喜びの唄なのである」と称賛。

また、同じくトロントの大手週刊誌『THE GRID』も同じく10段階中8の評価で、「『殺し屋1』を演じた大森南朋が、黒い皮に身を包んだ女王たちに、喜びを感じながら打たれて羞恥を感じるその様は、最高に見事なクライマックスで見事に結実する。そして松本監督が、ジャパニーズシネマにおいて最も刺激的な作家であることを証明してくれる」。

映画雑誌『HOLLYWOOD REPORTER』は「SMをテーマにした作品において、ここまで美しく奇妙に創造された作品はいままでなかった」、アメリカの大手映画サイト「TWITCH」は「幸せを求める人間の限界を追求したこの作品は、強烈なまでに知性的で、笑いよりもむしろ才覚にあふれている。松本監督はこの地球上で最もユニークな監督だ!」などといった、作品をたたえる声が挙がっている。

その一方で、カナダの地元紙「トロント・スター」が59作品中最低の評価をつけたと報じられるなど、評価は二分。現地時間15日に発表される、最高賞「観客賞」の行方に注目が集まる。