「消されたマンガ」

編集者の赤田祐一とライター・ばるぼらの共著による「消されたマンガ」が発売された。さまざまな事情によって発売や単行本収録がされていない、封印された作品・エピソードを紹介する1冊だ。

同書では日米開戦により唐突に連載が終了した田河水泡「のらくろ」をはじめ、戦前・戦後・現代とあらゆる時代の「封印作品」を60タイトル以上ピックアップ。ロボトミー手術を描き問題になった手塚治虫「ブラック・ジャック」の1エピソードや、サイケデリックすぎる夢の世界を描いたさくらももこ「ちびまる子ちゃん」の未収録回など、著名な作品の裏歴史が事細かに解説される。

また「証言」の章には、実際に作品が封印された当事者たちのインタビューを掲載。泉昌之は「かっこいいスキヤキ」の文庫版に収録できなったウルトラマンのエピソードについて、平松伸二は「マーダーライセンス牙」で描いた死刑囚が問題になった事件について語っている。