厚生労働省は9日、従業員101人以上の企業(農林水産業、鉱業、公務除く)を対象に実施した「仕事と介護の両立に関する企業アンケート調査」の結果を発表した。

同調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して行われたもの。調査期間は2012年9月~10月、調査方法は郵送、有効回答数は967社。

仕事と介護の両立支援の取組に対する経営トップの対応を調べたところ、48.8%が「推進担当部署に任せている」と回答。それに対して、「経営トップ自ら積極的に推進している」は13.7%、「推進担当部署を設置し、当該部署を積極的に支援」は11.1%にとどまったほか、「仕事の介護の両立支援の必要性を感じていない」と答えた企業も5.0%あった。

従業員の介護ニーズの把握状況について聞くと、「特に把握していない」企業は約半数の46.4%。一方、把握している企業では、「直属の上司による面談等で把握」が最も多く32.2%、次いで「自己申告制度やキャリア・ディベロップメント・プログラム等で把握」が15.3%となった。

管理職が仕事と介護との両立支援制度を利用した場合、長期的な昇進・昇格に影響するか尋ねたところ、「影響する」と「やや影響する」を合わせた『影響する』は14.0%。他方、「あまり影響しない」と「影響しない」を合わせた『影響しない』は50.9%、「わからない」は33.6%だった。規模別に見ると、1,001人以上の企業では『影響しない』(63.1%)の割合が他と比べて高くなっていた。

管理職が仕事と介護の両立支援制度を利用したことによる長期的な昇進・昇格への影響(出典:厚生労働省Webサイト)

仕事と介護の両立支援を目的として、現在、取り組んでいることを聞くと、「介護休業制度や介護休暇等に関する法定の制度を整える(就業規則への明記など)」が圧倒的に多く87.2%。次いで、「制度を利用しやすい職場作りを行うこと」が24.8%、「介護に直面した従業員を対象に仕事と介護の両立に関する情報提供を行うこと」が18.5%となった。

介護休業制度の整備状況について、「法定を上回る内容である」と答えた企業は22.0%で、その内容は「取得期間」が93.0%で最多。また、介護休暇について、「法定を上回る内容である」とした企業は11.7%で、その内容は「取得単位」が49.6%で最も多く、次いで「取得日数」が41.6%、「賃金補填」が31.9%となった。

仕事と介護を両立するための柔軟な働き方を支援する制度等で、導入しているものを尋ねると、「1日の所定労働時間を短縮する制度」が69.0%でトップ。以下、「半日単位、時間単位等の休暇制度」が46.0%、「始業・就業時間の繰上げ・繰下げ」が45.7%と続いた。