内閣府は8日、2013年6月の景気ウォッチャー調査を発表した。それによると、3カ月前と比較した景気の現状に対する判断DIは53.0で、前月比で2.7ポイント低下した。低下は3カ月連続で、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下したことが要因。なお、横ばいを示す50は5カ月連続で上回った。

景気の現状判断DI(出典:内閣府Webサイト)

同調査で示された景気ウォッチャーの見方は「景気は、このところ持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正された。

家計動向関連DIは、前月比2.2ポイント減の52.2。業種別では、小売関連が同1.2ポイント減の52.1、飲食関連が同5.2ポイント減の47.9、サービス関連が同3.8ポイント減の51.7、住宅関連が同0.5ポイント減の59.9となった。高額品販売は引き続き好調だったものの、梅雨入りに伴い飲食やサービス関連などで客足が鈍化したことなどが影響した。

企業動向関連DIは、前月比4.3ポイント減の52.8。業種別では、製造業が同4.6ポイント減の51.6、非製造業が同4.0ポイント減の54.0となった。円高是正により、仕入価格上昇などによるコスト増が見られたほか、株価や為替の変動により、取引先が慎重になったことなどが要因。

雇用関連DIは、前月比3.7ポイント減の58.0。株価や為替の変動により、求人に慎重な様子が見られたためだという。

2~3カ月先の景気の先行きを示す先行き判断DIは、前月比2.6ポイント減の53.6となり、2カ月連続で低下。政策効果への期待が引き続き見られるものの、仕入価格や電気料金の上昇などによるコスト増が懸念される中、株価や為替の変動による先行き不透明感が見られることなどから、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下した。

家計動向関連DIは、前月比2.4ポイント減の52.6。業種別では、小売関連が同2.8ポイント減の51.7、飲食関連が同2.5ポイント減の49.7、サービス関連が同1.4ポイント減の54.1、住宅関連が同2.3ポイント減の58.1となった。

企業動向関連DIは、前月比2.8ポイント減の54.8。業種別では、製造業が同2.4ポイント減の53.4、非製造業が同3.5ポイント減の57.5となった。

雇用関連DIは、前月比3.5ポイント減の57.5となった。

DIは、景気の現状、先行きに対する5段階判断にそれぞれの点数を与え、各回答区分の構成比(%)に乗じて算出している。5段階判断は、「良くなっている、良くなる(点数1)」「やや良くなっている、やや良くなる(0.75)」「変わらない(0.5)」「やや悪くなっている、やや悪くなる(0.25)」「悪くなっている、悪くなる(0)」。