女優の仲間由紀恵、俳優の阿部寛らが出演している堤幸彦監督作『トリック』シリーズが、2014年1月に公開される映画『トリック劇場版 ラストステージ』で完結することが3日、明らかになった。
2000年7月クールに、テレビ朝日系列で放送された連続ドラマ『トリック』。自称・超売れっ子実力派マジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵)と、自称・天才物理学者の上田次郎(阿部寛)の迷コンビが、さまざまな怪奇現象を調査し、そのトリックを暴いていくというストーリーで、2002年には続編と初の劇場版となる『トリック劇場版』が公開された。その後も、連続ドラマ、映画、スペシャルドラマ、スピンオフドラマなどが度々制作され、お茶の間の人気を不動のものとした。
その人気シリーズが、来年1月に公開される劇場版でついに完結となる。堤演出による笑えるギャグはもちろんのこと、泣けるストーリーに加え、初見でも楽しめるような「トリック」シリーズの魅力を濃縮した内容になっているという。初の海外ロケを実施し、仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子といったおなじみのメンバーが総出演する。また、映画の公開に向けてキャンペーン「さよなら! トリック祭り!!」を展開。連続ドラマ『警部補 矢部謙三2』(7月5日スタート 毎週金曜23:15~)の放送を皮切りに、さまざまなメディアからフィナーレを迎える同作を盛り上げていく。
20歳の頃からシリーズに関わってきた仲間は、現在33歳。「ともに成長してきた奈緒子という役を演じることも最後だと思うととても寂しく、残念です」と肩を落としながら、「撮影は今から楽しみです。来年、スクリーンの前で全てのトリックファンが涙することは、奈緒子的には『まるっと全部お見通しだ!!』という感じです」と劇中の決め台詞でアピールしていた。一方の阿部も「新鮮な気持ちで上田次郎と向き合うことができると思っています」と撮影を心待ちにしている様子で、「また、新しいキャストを迎え、シンプルで力強い人間ドラマが作れると期待しています。トリックにしかない世界観を思いっきり味わうつもりです」と語っていた。
13年もの間、演出を手掛けてきた堤監督は「私は、これを延々と同じパターンでやり続け、『寅さん』のように国民映画にしようと思っていましたから、残念です、無念です、慚愧(ざんき)の念に耐えません」と嘆き、「とはいえ、完結することが決まってしまった以上は、万感の思いを込めて取り組む所存です」と決意。同作については、「本当に泣ける『トリック』です」と語り、「映画の台本を読んで、私ははらはらと一人静かに泣きました」とエピソードを明かしていた。
トリックシリーズ概要
1 | 『トリック』(連続ドラマ第1作目) TVドラマ / 2000年7月期、金曜23時 / 平均視聴率7.9%、最高視聴率9.9% |
2 | 『トリック2』(連続ドラマ第2作目) TVドラマ / 2002年1月期、金曜23時 / 平均視聴率10.6%、最高視聴率12.3% |
3 | 『トリック劇場版』(劇場版第1作目) 映画 / 2002年11月9日公開、興収12.9億円 |
4 | 『木曜ドラマ トリック』(連続ドラマ第3作目・初の21時台) TVドラマ / 2003年10月期、木曜21時 / 平均視聴率15.6%、最高視聴率17.8% |
5 | 『トリック新作スペシャル』(スペシャルドラマ第1作目) スペシャルドラマ / 2005年11月13日21時OA 視聴率24.7% |
6 | 『トリック劇場版2』(劇場版第2作目) 映画 / 2006年6月10日公開、興収21.0億円 |
7 | 『警部補 矢部謙三』(スピンオフドラマ第1作目) TVドラマ / 2010年4/9~5/14、金曜23時 / 平均視聴率10.7%、最高視聴率11.7% |
8 | 『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(劇場版第3作目) 映画 / 2010年5月8日公開、興収18.6億円 |
9 | 『トリック新作スペシャル2』(スペシャルドラマ第2作目) スペシャルドラマ / 2010年5月15日21時OA 視聴率17.4% |
10 | 『警部補 矢部謙三2』(スピンオフドラマ第2作目) TVドラマ / 2013年7月5日スタート、毎週金曜23時15分~ ※一部地域除く |
11 | 『トリック劇場版 ラストステージ』(劇場版第4作目にして完結編) 映画 / 2014年1月公開 |