JR東日本は2日、中央線御茶ノ水駅付近の耐震補強工事に着手すると発表した。同駅付近の線路は神田川に沿って構築された盛土上にあり、神田川と台地側切土に挟まれた地形上に位置している。今回は首都直下地震に備えた工事を行う。
耐震補強工事に着手するのは、御茶ノ水駅付近の約1.2km(昌平橋~水道橋間)の神田川に沿う中央線盛土部。このうち、御茶ノ水駅改良工事に合わせて耐震補強工事を行う駅部(約0.1km)はすでに着手済みとなっている。
工事では、線路下の土中に長さ約15m・直径約20cmの棒状補強材を埋め込み、のり面の表面に設置したのり枠工や既設の構造物と一体化させて、大規模地震による崩壊を防止する。工事を行う約1.1kmの区間に用いる棒状補強材は約4,000本。工期は約4年の予定。
今回採用された、棒状補強材を用いる「地山補強土工法」は、これまで同社では降雨対策として使用されてきたが、首都直下地震(大規模地震)における盛土などの崩壊防止対策として、大規模に採用するのは今回が初めてだという。同社は2012年10月に策定した「グループ経営構想V」の中で、災害に強い鉄道づくりを掲げており、2012年からの約5年間を重点的な整備期間として、総額約3,000億円の耐震補強対策などに取り組むとしている。