東南アジアと言えば、タイやインドネシアを思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし、7年連続でロングステイ希望国NO.1にして、LCC(格安航空会社)エア・アジアの就航で財布にもやさしくアクセスできるようになったマレーシアに、今、人々が押し寄せている。今回、マレーシア観光のプロに、絶対に見逃せない味わいポイントを聞いてみた!
屋台で食べたい、絶品B級グルメベスト5
マレーシアに着いたらすぐご飯を食べに行こう。「着いてすぐご飯かよ」とつっこむなかれ! これには意味がある。マレーシアは多民族国家で、民族ごとに普段食べている料理が違う。マレー系、中国系、インド系と大きく分けて3つのジャンルがあり、そのどれもが本格派なのだ。このクオリティの高さは、それぞれの民族が自分のルーツである本国の食文化を大切に守っているからで、ご飯を食べれば自然と“多民族マレーシア”を体感できる。
そこでマレーシア政府観光局の佐伯道子さんに、「いろいろ食べたけど、やっぱりこれが好き!」という、マレーシアで押さえておくべきB級グルメ「ベスト5」を教えていただいた。
堂々の1位はサテー。マレーシア版のいわば焼き鳥で、スパイスに付け込んだお肉に甘辛いピーナッツソースをたっぷりつけるのが特徴だ。「お肉にピーナッツソース!?」と思ってしまうかもしれないが、砕いたピーナッツの甘みがソースに加わり、絶妙なこってり具合に! 1串1リンギ(約30円)ほど。マレー系・中国系屋台で販売。主に夜販売。
2位はナシレマ。ココナツミルク水で炊いたご飯で、素揚げした小魚(イカンビリス)と旨辛のチリソース(サンバル)を一緒にまぜまぜして食べる。注目すべきは、真っ赤なサンバル。口に入れた瞬間はコクのある甘みが広がるが、1秒後に唐辛子の辛みがじんわり襲ってきて汗がぽたっ。シンプル版ナシレマは1.5リンギ(約100円)ほど。主に朝食用に販売。
3位は、日本のラーメンのように地域ごとに種類が変わるラクサ。ペナンは魚ダシに酸味を効かせたアッサムラクサ。マラッカはココナッツミルクたっぷりのニョニャラクサ。首都クアラルンプールでよく食べられているのはスパイシーなカレーラクサだ。一度食べるとヤミツキの味に。1杯5リンギ(150円)ほど。麺系の屋台で販売。
4位のホッケンミーはマレーシア版の海鮮入り焼きうどん。中国産の黒醤油で味をつける。専門店ではイカワタを隠し味で加えるなど、海鮮の深いうまみがこの料理の決め手だ。漢字で書くと“福建麺”で中国系の料理。ちなみにペナンでホッケンミーというと、海老の頭でダシをとった汁麺のことを指す。1杯4リンギ(120円)ほど。中国系屋台で販売。
5位はアイスカチャン。アイスはマレー語で氷、カチャンは豆。つまり、豆をトッピングしたかき氷だ。具だくさんなのが特徴で、金時豆、ゼリー、寒天、とうもろこし、アイスクリームなどが乗っている。ちなみにとうもろこしはアイスやプリンの具としても使われており、野菜というよりも果物としての位置づけだ。日本でかき氷と言うと、溶ける前の氷のシャリシャリ感を楽しむが、マレーシアでは溶けてジュースのようになったものをスプーンですくって「飲む」人も多い。3リンギ(100円)ほど。スイーツ系屋台で販売。
テタレを作っている様子。テタレ選手権があるほど人気の技 |
番外編としてオススメいただいのはテタレ。練乳たっぷりの甘い紅茶で、注目すべきはお店の人のパフォーマンス。コップを両手に持ち、きき手を上にあげながら中の紅茶を下の容器に移し、ぶくぶく泡を作る。この泡こそがテタレの命。まろやかな舌触りになり、温度もいい感じになるのだ。1.5リンギ(50円)ほど。屋台の他、食堂や喫茶店(コピティアム)で販売されている。
さて、これらの料理を一度に味わいたいなら、ホーカーセンターと呼ばれる屋台街にレッツゴー! ホーカーセンターは、日本でいうフードコートに近い仕組み。最初に席を確保したら、食べたい料理のある店で注文。席に座って待ち、料理が届いたらその場で会計する。ホーカーセンターは比較的清潔なところが多いので、キレイ好きな女性も安心だ。
6~8月がベスト! 期間限定・癒やしのビーチ
マレーシア料理をたっぷり味わったら、リゾートに足をのばそう。マレーシアはマラッカ海峡と南シナ海に囲まれていて、アイランドやビーチリゾートの宝庫。ランカウイ島の豪華リゾートでのんびりしてもよし。ペナン島の海岸沿いリゾートなら、潮騒の音を聞きながら贅沢(ぜいたく)な時間が過ごせる。
これらメジャーな島もいいが、今回紹介したいのは穴場リゾート。実はマレーシアには、観光客にまだ知られていない美しいリゾート島がいくつもあるのだ。マレーシア政府観光局の佐伯さんによると、それは東海岸の島。
「マレーシア東海岸にある島々は手つかずの自然、コバルトブルーの海が楽しめます。なかでもレダン島は、国内屈指の純白の砂浜。透明度の高い海が広がり、ダイバーの楽園です」と佐伯さん。
東海岸はモンスーンの影響を受けて、1年の半分が雨期となる。雨期は波が高く海に入れず、なおかつリゾートもクローズするので観光客は島を訪れることができない。1年のうち半年間しか訪れることができないまさに“隠された楽園”なのだ。カラフルな熱帯魚や海ガメに会える絶好の時期は4~8月。是非このシーズンを狙って旅しよう!
断食月(ラマダン)こそ食の祭典!?
最後に紹介するのはラマダン事情。ラマダンとは世界中のイスラム教徒が行う“行”で、2013年は7月初旬~8月初旬。この1カ月の間、日の出から日没までの間の食事・飲料・喫煙を絶ち、敬虔な人は自分の唾でさえも飲み込まない。
ただ、マレーシアは多民族国家なので、イスラム教徒以外の人はラマダンとは全く関係のない生活を送っており、中国系やインド系の屋台は通常通り営業している。また、ラマダンの時期は夕方ともなると道路に屋台がずらっと並び始めるので、省エネモードで生活している昼間とは異なる、華やかな夜を楽しんでみるのもいいだろう。
片道1万1,000円~でマレーシアにGO
グルメ、ビーチリゾートからラマダンまで、マレーシアで体験できることはとてつもなく幅広い。いろんな価値観が共存している多民族国家・マレーシアで、今しか味わえない魅力を思う存分堪能していただきたい!
そんなマレーシアへの旅にオススメなのが、羽田と関空からクアラルンプール直行便を運航するLCC「エアアジアX」。羽田から毎日、関空からは週4便を運航している。
プレミアムクラスは4万7,000円~(片道、諸税込み)で、LCC業界初のフルフラットベッドシートを導入した12席限定となっている。エコノミークラスであれば1万1,000円~(片道、諸税込み)。日本~クアラルンプール路線では、燃油サーチャージなしとなっているのもうれしい。
もちろんマレーシア国内各都市への乗り継ぎもバッチリ! 毎週お得なセールを実施しているので、時期を見逃さないようにホームページをチェックしよう。