テレビや講演会などで頻繁に目にするようになった手話。最近では、コミュニケーションツールのひとつとして、手話を学ぶ人が増えています。でもせっかく勉強するなら、やはり目標やレベルを知りたいですよね。そんな人におすすめなのが、手話技能検定です。

■手話技能検定とは?

手話技能検定は、NPO法人手話技能検定協会が主宰する検定で、手話を学習している人がどのくらいのレベルにあるのかを知るためのものです。上位資格になると実技試験もありますが、あくまでも技能レベルを知るもので、手話通訳の検定ではありません。

7級・6級・5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級の9レベルがあり、7級は在宅での受験、1級と2級は実技試験、その他は筆記試験になります。

■試験概要

・受験資格

7級~準2級:特になし

2級・準1級・1級:ひとつ下のレベルの検定に合格していること

※試験には音声を使用しないので、聴覚障がいのある人も受験できる。

※年齢制限はないが、4級以上は小学4年生以上程度の国語能力が必要。

・試験方法と検定レベル

7級:在宅での筆記試験。50音がゆっくり読み取れる。

6級:筆記試験。簡単なあいさつと100程度の単語を理解し表現できる。

5級:筆記試験。簡単な日常会話と300程度の単語を理解し表現できる。

4級:筆記試験。接客上で必要な会話や、数字(金額・日付など)の表現、幅広い分野から500程度の単語を理解し表現できる。

3級:筆記試験。接客上で必要な細かい会話や道案内、学校や会社での日常会話ができる。また幅広い分野から1,000程度の単語を理解し表現できる。

準2級:筆記試験(記述式を含む)。ろう者的手話または難聴者的手話のどちらかを使用し、自由に会話ができる。専門分野を含め2,000程度の単語を理解し表現できる。

2級:実技試験。準2級合格者が受験できる。課題文の表現と、面接による質疑応答。

準1級:筆記試験(記述式)。2級合格者が受験できる。ろう者的手話・難聴者的手話のどちらも、理解し、自由に表現できる。単語数に制限なし。

1級:実技試験。準1級合格者が受験できる。面接官の与えるテーマにそったグループ討議と、面接による課題文の表現を試験する。

NPO法人手話技能検定協会

■資格の生かし方

3級以上の資格を保有する人は、協会が主宰するインストラクタ講座を受講できます。これから手話の講師を目指すなら、手話技能検定の3級以上の取得を目標にしましょう。

上位資格を持っているからといって、直接的に就職に有利になるということはありません。しかし、特に手話ができる人材を必要としている接客業・サービス業では、絶好のアピール材料になるでしょう。