JR東日本は22日、只見線会津川口~只見間の復旧に必要となる安全対策の費用と工期について発表した。同区間は2011年7月の新潟・福島豪雨で甚大な被害を受けて以来、バス代行輸送が行われている。

豪雪地帯を走る只見線の列車

公式サイトにて公開した「只見線(会津川口~只見間)について」では、表紙を除く24ページのうち、被害状況とこれまでの復旧費用に7ページ、洪水に対する安全対策の概要と今後の費用・工期に6ページ、只見線の概要や利用状況などに11ページを費やしている。

会津若松~小出間を結ぶ只見線は、新潟・福島豪雨で大半の区間が運休となったが、現在は会津川口~只見間を除き運転が再開されている。これまでに要した復旧費用は、復旧工事費・桁撤去費を含めて約19億円。

残る会津川口~只見間では、第5只見川橋りょう、第6只見川橋りょう、第7只見川橋りょうで桁が流失。第8只見川橋りょう付近も盛土崩壊や盛土の地滑りによる線路沈下、土砂の堆積などが発生している。仮にこの区間を復旧する場合、洪水に対する安全対策を行う必要があり、JR東日本によれば、「安全対策の費用と工期について試算した結果、工事費は約85億円、工期は4年以上」になるという。

只見線の平均通過人員は1日あたり370人で、JR東日本では岩泉線(鉄道での復旧を断念)に次いで少ない状況にある。この20年間で只見線全線の利用者は約半分に、会津川口~只見間にいたっては約1/4にまで減少。これまでにコストダウンおよび増収の取組みを進めたものの、2009年度には約3億2,900万円の赤字となった。今回発表された資料でも、こうした利用状況の現状について、多くのページを費やして説明している。

只見線会津川口~只見間の今後に関して、JR東日本は「鉄道での復旧の可否について、総合的に検討を進めてまいります」と発表している。