今回は、オフィスでの理想の「陣形」について書いてみようと思います。
陣形なんて大袈裟な言い方ですが、お読みいただければその意味がお分かりいただけるはずです。
古来より日本人にとって非常に親しみ深い「四神」、色に対応
昔、社会や美術の授業で習った高松塚古墳、覚えておいでですか?
そこには、埋葬者の棺の四方の壁に、四種類の動物たちが描かれていました。
「四神」と言います。
東…青龍(龍)
南…朱雀(鳳凰)
西…白虎(虎)
北…玄武(亀)
どこかで見かけた言葉も多いのではないでしょうか?
会津の白虎隊や、都の南側の門である朱雀門など、実は四神は古来より日本人にとって非常に親しみ深いものです。
そしてこれらは、その名の通り色に対応しています。お気付きのように、玄人(くろうと)という読み方は、ここから来ているんですね。
東…緑、風水では緑のことを青と表現します。
南…赤
西…白、風水では白=金属色でもあります。
北…黒
さらには、今後言及していく風水の最重要要素、五行(木・火・土・金・水)にも完璧に対応しているわけですが、五行についてはまた追って。
背中には安定感の象徴の亀、「後ろ盾」を表す
さて、この四神を、自分を中心とした四方に当てはめて、理想の陣形を築いていくわけですが、ここで風水の大前提をひとつ覚えていただきます。
風水では、北を下に配置して考えます。現代の地図とは逆ですね。
そして、自分にとっては背中が北です。つまり、目の前を南と捉えて考えるわけです。
すると、背中には亀、となりますね。
亀は、どっしりと重い、安定感の象徴です。すなわち、文字通り自分の「後ろ盾」を表しています。
これをオフィスで考えると、自分の背中には何か壁のようなものを配置する、ということになります。
経験のある方も多いと思いますが、自分の背後というのは目が届かないだけにいつも隙だらけです。自分の後ろに誰がいるかわからない状況というのは、何とも言えず気持ち悪いものです。
ですから、人間は無意識のうちにその不安を打ち消すために背後に壁を求める習性があるのです。
もし自分の背後が落ち着かない「空間」だった場合、衝立やパーティションなどで擬似的に壁を作る、もしくはいわゆる「社長イス」のような背もたれの大きいもので「安心感」「安定感」を演出します。
「演出?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、脳科学や心理学の対処法は、すべてこうした「脳をだます演出」ですよね。
そういった意味でも、風水は最先端の学問とも見事にリンクしているのです。
安心して仕事に取り組むためには、背後にぜひ「壁」を
繰り返しますが、安心して仕事に取り組むためには、背後にぜひ「壁」を作っていただきたいと思います。
そうすることで、背中に何もないことから来る、潜在的な恐怖から逃れることができ、仕事に集中する環境が整います。
社長のイスが立派なこと、社長がオフィスの一番奥にいる理由は、実はここからきているのですね。
次回は、青龍、朱雀、白虎について書かせていただきます。
<著者プロフィール>
高木芳紀(たかぎよしのり)
風水オフィスアドバイザー。1971年名古屋生まれ。金沢大学卒業後、商社に就職。繊維、IT、放送関連機器の部署にて営業職を経験後、同社にいた先輩の家業であるアスクル代理店の「株式会社つばめや」に転職。新規事業企画担当兼ウェブマスターとして、主にインターネットを活用したオフィスサプライ通販の独自路線を開拓中。その中でオフィスの効果的なレイアウト手法のひとつとして風水と出会い、「風水オフィスドットコム」を立ち上げる。新たなる癒しの時代、創造の時代のキーワードとして、企業のオフィス作りを支援し続けている。自らに課したテーマは「仕事とオフィスの最適化!」