松たか子、9年振りに共演した吉岡秀隆と「9年間の変化を楽しんでいる」

2014年1月から公開される山田洋次監督作品『小さなおうち』の製作会見が15日、都内のスタジオで行われ、主演の松たか子をはじめ吉岡秀隆、黒木華、片岡孝太郎、妻夫木聡、倍賞千恵子、山田洋次監督が出席した。

山田洋次監督の監督82作目となる本作は、直木賞を受賞した中島京子の同名小説を映画化。昭和11年の東京郊外に建つ一軒の小さな家を舞台に、そこで夫や子供たちと幸せな暮らしをしていた時子(松たか子)が、ある日現れた一人の青年(吉岡)に心を奪われていく姿を描く。

山田洋次作品は、2004年公開の『隠し剣 鬼の爪』以来9年振りの出演となる松たか子は「もう撮影は半分を過ぎましたが、何か起きる予感がしてとても楽しい現場です。監督さんやスタッフさんはもちろん、(黒木)華ちゃんや吉岡さんが時子を作って下さる感じがして、とても幸せですね。産む苦しさはありますけど、何を辛いと思っていいのかと思うぐらいですよ」と久し振りの山田組に満足げ。吉岡とも『隠し剣 鬼の爪』以来となるが｢その時は女中さんだったので、あまり気軽に会話を出来る間柄ではありませんでした。そんな吉岡さんと今回は急接近するので、最初は凄く緊張しましたが、凄く気を使って頂いて9年間の変化を楽しませてもらってます」と久々の共演を喜んだ。

本作は、山田作品には珍しく若い人妻が旦那以外の男に心を奪われる、いわゆる"不倫"をテーマを扱っている。山田監督は「このようなタイプの映画は初めてなので、この間も松さんが吉岡くんの下宿を訪ねる場面を撮りながら僕もドキドキしました。初体験のような世界を恐る恐る辿っている感じですね」と現在の心境を告白。また、本作はフィルムで撮影されており、デジタル化されつつある現在の映画界について「その問題については、ここ1～2年どんなに悩んだかわかりません。そのことで映画が表現豊かになったのか、むしろ合理化なんじゃないかと。フィルムで育った私には腹立たしいです。まだフィルムは生産されてますから、私が生きている内はフィルムで続けたいと思います」と宣言していた。映画『小さなおうち』は、2014年1月公開。