大日本印刷(DNP)は14日、同社独自の「消費者価値観データベース(以下、価値観DB)」を活用し、製品やサービスの実用性の検証や改善ポイントの抽出を行う「行動観察調査サービス」の提供を開始した。

同サービスは、調査対象者の価値観を把握した上で行動観察調査を行うもので、調査結果に対して、価値観に基づく解釈を導き出すことにより、より精度の高い分析が可能となるという。

同サービスで活用する「価値観DB」は、20~60代の男女1万5,000人を対象に実施した価値観やライフスタイル、購買行動に関するアンケート結果(138問、1,126項目)をデータベース化したもの。購買行動を、「1,背景→2,欲求認識→3,情報探索→4,購買前評価→5,購買→6,消費→7,購買後評価→8,共有」の8段階に分け、各段階の設問への解答を集約している。

「行動観察調査サービス」では、「価値観DB」の調査結果を利用し、性別・年齢・居住地域などの基本属性、購買行動などの情報に加え、生活者の心理や購買に関する意識、コミュニケーション時の傾向などの価値観を踏まえた行動観察調査を行う。また、生活者が行動する際の視線の測定(アイトラッキング)や、脳波の測定(ニューロリサーチ)も可能となっており、科学的な調査と組み合わせることで、実態の複合的な把握が行えるとのこと。

「行動観察調査サービス」のメリットなど(出典:大日本印刷Webサイト)

調査の際は、実務担当者だけでなく、調査テーマに関連する部署の担当者も原則立会い、調査後のワークショップに参加する。これにより、調査結果の社内共有が円滑に進むとともに、「日常業務を踏まえた各人の"気づき"を共有し、課題解決に有効なアイデアを出し合うことで、より確実で具体的な開発・改善に繋げることができる」(同社)という。

価格は、調査対象者4名・調査実施1日の場合で300万円(税抜)から。なお、価格には調査企画・設計、調査実施、ワークショップ、「価値観DB」利用費が含まれる。メーカーや通信、金融などの企業が主なターゲットで、関連受注を含め2015年度までに20社、計15億円の売り上げを目指すとしている。