公的年金の積立金を市場運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はこのほど、2012年第3四半期(10~12月期)の運用結果が5兆1,352億円の黒字になったと発表した。
黒字額は、四半期で比較可能な2008年度以降2番目の大きさ。運用利回りはプラス4.83%で、第2四半期(4~9月期)のマイナス1.39%から改善した。これにより、12月末時点の運用資産額は111兆9,296億円に回復した。
運用資産別の収益率は、国内株式が16.71%(前期マイナス3.43%)、外国株式が13.78%(同4.87%)、外国債券が13.62%(同0.56%)で、これら3資産が大きく上昇。一方、国内債券はマイナス0.06%(同0.49%)に減少した。
各資産の運用環境を見ると、国内株式については、期初は国内景気の減速などから一進一退の展開だったが、日本銀行による追加金融緩和や新政権による経済対策への期待などから、11月以降では株価(TOPIX配当込み)は大幅に上昇。外国株式については、米国株式はやや下落、ドイツ株式は欧州債務問題の落ち着きを見せたことなどを背景に上昇、先進国株価指数(MSCI KOKUSAI)は円が主要通貨に対して円安となったことで、円ベースで大きく上昇した。また、外国債券についても、円安の影響でベンチマーク収益率が大幅プラスとなった。