帝国データバンクは26日、「外食産業の倒産動向調査」を発表した。同調査は、2012年の外食産業の倒産(負債1,000万円以上、法的整理のみ)について、件数・負債推移、業態別、地域別などを集計・分析したもの。

それによると、2012年の外食産業の倒産は685件で、比較可能な2000年以降で最も多かった2011年の688件に次ぐ件数となった。負債総額は506億円4,400万円で、前年同期より23.4%増加した。

外食産業の倒産

業態別に見ると、トップは「居酒屋」で196件(28.6%)。以下、「一般飲食店、食堂」が138件(20.1%)、「中華料理店」が102件(14.9%)と続き、これら3業態で全体の6割以上を占めた。

地域別に見た場合、近畿が247件(36.1%)となり7年連続で最多。次いで、関東が212件(30.9%)、中部が98件(14.3%)となった。このうち中部は、2005年以降倒産件数が増加傾向にあったが、7年ぶりに前年より減少したことが判明。また、都道府県別では、東京が130件で3年連続のトップとなった。

主因別に見たところ、売上不振、業界不振などを主因とする「不況型」が最も多く599件(87.4%)。構成比は2005年(66.9%)から7年連続で増加しており、2010年以降3年連続で8割を超えた。このほか、「震災関連倒産」は23件、「金融円滑化法利用後倒産」は6件発生した。

倒産態様別では、「破産」が634件(92.6%)で最多。構成比は、2009年から4年連続で増加しており、2010年からは3年連続で9割以上となっている。また、「特別清算」の10件(1.5%)と合わせると、『清算型』は94.1%に上る。一方、事業継続を前提とする『再建型』については、「会社更生法」が2009年以上4年連続で発生せず、「民事再生法」も41件(6.0%)にとどまっている。

負債規模別に見ると、トップが「5,000万円未満」の532件(77.7%)、次が「5,000万円~1億円未満」の79件(11.5%)となり、これらを合わせると負債1億円以下の倒産が全体の89.2%を占めた。「50~100億円未満」の倒産は1件で、2010年以来2年ぶり。「100億円以上」は2009年以降4年連続で発生しなかった。資本金別では、「個人」が 269件(39.3%)、「1000万円未満」が299件(43.6%)と、零細業者が全体の8割以上となった。

負債額について調べたところ、1位は、六本木などに店舗を擁し、芸能人らを顧客層としていたステーキハウス経営の「清」(東京都、破産)で74億円。2位は、焼肉専門店「平城苑」などを経営していた「サンクロカン」(東京都、民事再生法)の30億円。3位は、「焼肉酒家えびす」を経営し、その後食中毒問題で全店営業を停止した「フーズ・フォーラス」(石川県、特別清算)の17億7,800万円となった。