女性にとって乳房はとても大事なものであることは、乳がんの手術などにおいても、できるだけ乳房を残す“温存療法”が主流になりつつある事実などからよく分かる。そうした女性にとって大切な乳房を守ってくれる神社が岡山県にあるのだとか!
その神社は岡山県総社市にある「軽部神社」だ。通称 “おっぱい神社”と呼ばれるこちらの神社は、延宝6年(1678)に建立されたと伝わる古社(こしゃ)。別名「王子宮」とも呼ばれ、天照大神(あまてらすおおみかみ)や伊弉諾命(いざなぎ)などの五神を祭神としている。
不思議な通称をもつようになった経緯について、地元の総社(そうじゃ)吉備路商工会は「その昔、境内に“垂乳根(たらちね)の桜”と呼ばれる枝垂(しだ)れ桜があったことから、乳神様として庶民の信仰を集めたと聞いています」と説明する。
しかし残念ながらこの枝垂れ桜、樹齢400年とも言われていたが、昭和15年(1940)に惜しくも枯れてしまったそうで、今は根株しか残されていない。
TVで紹介されたことで有名に
神社の存在は岡山県下では有名だったが、市の郊外にあることもあって、少し前までは県外にはあまり知られていなかった。しかし、総社市に合併する前の旧清音村が村おこしの目的で、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に珍しい神社があると応募して紹介されたことをきっかけに、全国的に有名になった。
「正確には、ここには乳神が祀られているわけではありません。また、祭神がもたらす御利益には乳房を守るものは含まれていないのですが、実際に効能があった例が多数あるようで、昔から多くの人の信仰を集めてきたと聞いています。そうしたことから、全国の悩んでいる方から注目されたのだと思います」(総社吉備路商工会)。
手作り感覚に溢(あふ)れた絵馬が並ぶ!
境内にあるお堂の中に乳房の形をした絵馬を作って奉納すれば、母乳の出がよくなるといわれ、“全ての乳の病を癒やす乳神様”としてあがめられている。そのため、安産や母乳の出を願う、全国の女性から絵馬が奉納されている。「お堂の中には、様々な絵馬が飾られていて独特の景観となっています」と総社吉備路商工会。
絵馬は、布に綿をつめて乳房の形に縫った手作りのものが多いが、中には粘土で形を作って色を塗ったものもある。また、総社吉備路商工会では、遠方の方などのために「絵馬奉納キット」を用意している。「絵馬の正式な形は決まっていないのでどんなものでも奉納できますが、商工会で用意しているキットを使うと便利ですよ」(総社吉備路商工会)。
絵馬は通信販売もしている
キットは絵馬に最初から乳房が付けられているので、わざわざ手作りする必要がない。加えて、ご祈念が済んでいるストラップお守りも付いているんだとか。連絡をすれば郵送販売してくれる上に、送り返せば総社吉備路商工会が責任を持って奉納してくれる。
「おかげさまで遠く東京や神奈川、富山といった場所からも依頼があります」と総社吉備路商工会。もちろんキットは地元でも販売していて、吉備路のシンボルである「国分寺」の前に立つ「吉備路もてなしの館」に行けば、2,000円で購入できる。もし乳房に関することで悩みがあれば、ここで願をかけてみては!?
●information
総社市観光ガイド