ファッション界からは擁護の声も多いジョン・ガリアーノだが、結果ははたして (C)BANG Media International

英ファッションデザイナーのジョン・ガリアーノが、元雇用主クリスチャン・ディオールと自身のブランドであるジョンガリアーノとの法廷闘争で一歩リードしている。

2011年にネット上で人種差別やユダヤ主義を侮辱する発言を行ったことで逮捕され有罪判決を言い渡された後に、クリエイティブ・ディレクターの座に就いていた両ブランドから解任処分を受けたジョンは、両ブランドに対して契約上の不服を申し立てて提訴。そして、2月4日に行われたパリ裁判所での第一審で勝利し笑顔で裁判所を立ち去っている。ジョン側の弁護士は「ディオール側の申し立てが却下されて満足しています。私たちの要求が支持されたのです」とWWDに話している。

ディオール側は15日間の控訴猶予があるが、今後の双方の出方やフランスの法律上によっては、決着がつくまでに何年もかかることになるという。両ブランドの弁護士を務めているジャン・ネレは、今回のケースはジョンと両ブランドとの契約内容が複雑なことから同法廷で行われるよりも商事裁判所で行われるべきだと指摘していた。

2008年に両ブランドとジョンが終身雇用契約を結んだことで、ジョンはディオールから固定年収100万ユーロ(約1億2,600万円)とボーナス金、さらに自身のブランドからデザイナーとして200万ユーロ(2億5,200万円)を稼ぎ出しただけでなく、コンサルタント料も受け取っている。

ジョンは今回の法廷で声明を残していないものの、2011年6月に人種差別発言した際に法廷で、仕事が原因のストレスといくつもの中毒症状があることを洩らしていた。ジョンが両ブランドからどれほどのプレッシャーを与えられていたかは明らかになっていない。

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