エビ大好き名古屋で、愛され続けているエビせんべい

名古屋名物として必ずエビフライが挙げられるのは、やや演出されている感がなきにしもあらずだ。しかしエビが大好きな県民性ってのは、確かに当たっていると思う。エビせんべいの生産量でも、愛知県はなんと全国の8割というシェアを占めている。そのエビせんべいのメッカと言ってもいい場所が、愛知県美浜町にある「えびせんべいの里」だ。

ざっと数えて40種類! エビせんべいを試食し放題

ここはいわゆる「生産現場の見学ができる工場」なのだが、その規模がすごいという。何がすごいのか気になるじゃないか! ということで、訪問してみた。

「えびせんべいの里」は、南知多道路の美浜インターを降りてすぐのアクセス至便な場所にある。見た目はもろに「THE・工場」で、ドーンと社名のロゴが目立つ以外は特に特徴ナシ。しかし何か物々しい雰囲気だ。

それもそのはず、駐車場が大混雑しているのだ。土曜の昼とはいえこりゃひどい! しかも観光バスまでバンバン発着してる。観光バスツアーのルートにまで組み込まれてるようなのだ。

観光バスの並ぶ「えびせんべいの里」駐車場

広々とした建物の中に入ると、スペース一面が全て、この工場で生産されたであろうせんべい売り場になっている。ちなみに、せんべいの全てがエビ味というワケじゃない。イカとかタコとか、いわゆる魚介系のせんべい全般が生産されている。もちろん主力はエビだけれど。

そして、その商品一つひとつの前に試食ケースがあり、みんなバクバクそれを食べているのだ。ちなみに、ほとんどのせんべいがひと口サイズ。ぱくっと口に放り込める、計算され尽くされた大きさだ。

しょせんは試食なのだけれど、その数がハンパない。ざっと数えて40種類、いやそれ以上の種類は余裕であるだろう。考えてみてほしい。1種類2枚として、80枚は食べられる計算だ。

まずは1枚、定番のエビせんべいを口に放り込む。ふわっと軽く、じんわりとエビの風味が口いっぱいに広がる。やはり、うまいっ! 思わず2枚、3枚と……。いかんいかん、他のせんべいが食べられなくなる。こんな感じで試食が続く。

塩味に飽きても問題ない。ピリ辛味、ゴボウ味、カレー味、そしてイカスミ味と、豊富な味のバリエーションなのだから。コメンテーター風に言えば、「えびせんべいの大航海時代や~」ってなとこだろうか。そんなこんなで、累計50枚以上は平らげてしまった。

なんと別室ではお茶とコーヒー飲み放題サービスも

さすがに口が塩っぽくなってきたところで、別室のカフェコーナーに移動しよう。ここではお茶とコーヒーが飲み放題なのだ。あったかいコーヒーがせんべい三昧で、塩分濃度高めになった口にやさしく沁み渡る。ふぅ。ほっとひと息。

カフェコーナーにせんべいは持ち込み禁止なんだけど、逆に言えば持ち込まなかったら何杯でも飲めるワケ。せんべい→コーヒー→せんべい→コーヒーの無限スパイラルだってできちゃうのだ。何という太っ腹(笑)。

とはいえ、ここまで至れり尽くせりだとお客も申し訳ないようで、エビせんべいがガバガバ売れて行く。かくしてレジ前もまた長蛇の列になるのであった。

300円でエビせんべいづくり体験もできる

ちなみに、300円でエビせんべい作りができるのもこの施設の魅力だ。直径30センチの大判のエビせんべいを生地から焼ける。しょうゆやソースで字や絵を描いて、オリジナルの1枚が作れのだ! 所要時間はわずか10分ほどと時間もちょうどいい。名古屋を訪れる際には、家族でも夫婦でも、そしてひとりでも楽しめる「えびせんべいの里」まで、ぜひ足をのばしてみてほしい。

●information
えびせんべいの里 美浜本店
美浜町大字北方字吉田流52-1