「えんぴつを正しく持てる」には半数近い親が期待

「ベネッセコーポレーション」は4日、「幼児期の家庭教育調査」の調査結果を発表した。同調査は、同社の社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」にて1月~2月に行われた郵送式記述調査。年少児~小学1年生の子どもを持つ母親5,016名から回答を得た。

「あいさつ」「えんぴつを正しく持つ」「あきらめずに挑戦」に期待

まず「子どもが小学校入学までに身につけてほしいもの」を聞いたところ、生活習慣面では「あいさつやお礼を言える」(36.4%)、文字・数・思考面では「えんぴつを正しく持てる」(44.6%)、学びに向かう力の面では「物事をあきらめずに挑戦する」(31.1%)がそれぞれの最上位にあがった。

小学校入学までに「学びに向かう力」は必ずしも伸びない

生活習慣や学びに向かう力が「できる」は年長児でも6~7割

次に「自分の子どもができること」について聞いたところ、文字・数・思考については、子どもの年齢が上がるにつれ「できる」という割合が増える傾向があった。「かな文字を読める」「長さや高さの比較ができる」は年長では9割に達した。

一方、生活習慣や学びに向かう力については、必ずしもそのような傾向はなく、例えば「片づけ」(生活習慣)、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)が「できる」と答えたのは、年長児でも6~7割にとどまった。

生活習慣の定着は「できること」に大きく影響

生活習慣が身についている子どもは「できる」が多い

「生活習慣」が身についている子と身についていない子を比較した場合、「自分のことばで順序を立ててわかるように話せる」の割合は、前者で92.3%、後者で75.0%と差が出た。同様に「あきらめずに挑戦する」ができる割合も、前者で83.5%、後者で53.3%となり、生活習慣が身についている子どもは「できる」との答えが多かった。

「子ども自身に考えさせる」うながしが多いほど子どもは伸びる

子ども自身に考えさせると、子どもが「できる」割合が高くなる

母親が「子ども自身が考えられるようにうながす」ことが「ある」ケースと「ない」ケースを比較すると、「数を足したり引いたりすることができる」の割合は前者で90.7%、後者で73.8%だった。また「あきらめずに挑戦する」ができる割合も、前者で80.5%、後者で53.8%と差が出た。

集中・興味・質問の経験が多いほど学習への積極性が高い

幼児期からの学習習慣が影響を与える

幼児期に文字や数に親しむ習慣が高かった場合と低かった場合を比較すると、小1時に「勉強が終わるまで集中」は72.0%、低かった場合は48.7%が「できる」と答えるなど差が出た。同様に、幼児期に「好きなことに集中」「わからないことを質問」していた場合も、小1時に「勉強が終わるまで集中」が「できる」は65.2%、していなかった場合は44.4%だった。

同調査の詳細内容や解説は「ベネッセ次世代教育研究所の調査報告ページ」で閲覧できる。