長崎といえば日本3大夜景のひとつとして数えられる稲佐山(いなさやま)が有名。しかし、長崎には他にも夜景スポットがあり、地元の人は自分だけの夜景を楽しんでいるらしい。夜景が観光資源のひとつになっている長崎市には、夜景観光バスツアーなどに同行して夜景を案内するために養成された「夜景ナビゲーター」がいる。そのひとり、岩田けい子さんにおすすめの夜景スポットを聞いてみた。
長崎の夜景がきれいな理由
「坂の街といわれる長崎は、長崎湾を取り囲むように山々が迫るすり鉢のような地形をしています。市内には展望台が何カ所もあり、高台から絶景が楽しめるお宅も結構あります。実は私の家の玄関からも割ときれいな夜景が見えるんですよ。でもそれは日常の風景かもしれません。デートとかで夜景を見に行く時は、なぜか有名な稲佐山に行ってしまいますね」。
あ、そうなんですね。やはり特別な時は稲佐山か。でも、隠れスポットってあるんでしょ? 「そうですね。長崎はいろいろな夜景スポットがあります。この街の夜景の魅力は、斜面に張り付く家々のあかりや防犯灯の白色、道路のオレンジ灯など、様々な色の光が密集して立体的に見えるところです。複雑な山の稜線(りょうせん)など、自然の地形も魅力を倍増させています」。
おすすめの夜景を紹介
ではでは、具体的なスポットを教えていただいたので、岩田さんのコメントとともに紹介しよう。
●稲佐山
稲佐山は標高333メートルで東京タワーと同じ高さ。公園内の展望台からは長崎市内を中心に360度近いパノラマを観賞することができます。普通、展望台は車を持たないと行きにくい場所にあることが多いですが、ここはロープウェイで気軽に登れるので徒歩で移動する観光客にもおすすめです。
●南山手からの眺め
グラバー園や洋館が集まる南山手地区は、夜間ライトアップされるグラバー園からや、その周辺からの眺めがすてき。洋館群の向こうに見える港の光景にはエキゾチックな雰囲気がたっぷり漂います。
●鍋冠山
南山手の山頂にあり、長崎港を挟んで稲佐山方面を見ることができます。グラバー園から徒歩10分くらいですので、グラバー園と合わせて立ち寄ってみてください。
●風頭公園
坂本龍馬像が建つ風頭公園からは長崎港が眼下に広がり、停泊する船なども見えます。ただし、展望台付近に駐車場がありませんので、寺町辺りから徒歩で長い坂道を上る必要があります。案内する人がいないと、行きにくいかもしれません。
高い所に登らなくても
また、展望台まで登らなくても、町中の観光施設や文化財がライトアップされてすてきな風景をつくっているのがこの街の魅力。街なかをぶらぶら「さるく(歩く)」だけで、すてきな夜景に出合えるという。
●出島ワーフ
長崎港に整備された商業施設で、にぎやかなイルミネーションとともに港の風情も味わえます。ここから見上げる稲佐山もいいですよ。
●文化財のライトアップ
眼鏡橋や大浦天主堂など、有名な文化財もライトアップされて、昼間とは違った表情を見せてくれます。
●女神大橋
長崎港によって分かれている市内南部と西部を結ぶ橋が毎夜ライトアップされます。稲佐山からも見えますが、女神大橋のパーキングから近くで見ると迫力があります。
「これらの絶景スポット、車で回るのもいいですが、地理的な面で不安を感じるなら夜景巡りのバスツアーのご利用がおすすめです。市内最寄りのホテルから出発し、稲佐山展望台、女神大橋や市内中心部を眼下に臨むパノラマ夜景ロードをバスで巡ります。私たち夜景ナビゲーターがご案内しますので、意外な見どころもご案内できますよ」。
眺めていると、なぜかロマンチックな気分になってしまう港街の夜景。特に長崎の夜景はいつまで眺めていても見飽きない。あなたもすてきな夜景の思い出をつくりに出掛けてみませんか。
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