日本NCRは、9月6日から7日に東京都の東京国際フォーラムで開催されている「金融国際情報技術展(FIT)2012」において、スマートフォンで現金を引き出せるモバイル端末専用の最新型キャッシュ・ディスペンサー(CD機)とアプリケーション(NCR Mobile Cash Withdraw)を公開している。同社によると、スマホで預金を引き出しできるCD機は"国内初"という。
CD機とアプリケーションを開発したのは、米NCR。利用方法は、アプリケーション(NCR Mobile Cash Withdraw)をスマホにダウンロードし、スマホの画面上のアプリケーションのアイコンをクリック。すると暗証番号を入力する画面が出てくるので暗証番号を入力し、普通預金など預金の種類を選ぶ。さらに引き出したい金額を入力の上、CD機にスマホをかざすと、現金が出てくるというものだ。現金の引出し後は、預金残高や引出日時、場所などを明示した電子レシートがスマホの画面上に表示される。平均10秒以内で操作が完了。CD機に触れる必要がなくなり、セキュリティ向上を実現している。
この技術は、NFCという非接触型ICチップの国際規格に対応。日本NCRによると、すでに米国の主要銀行で採用され1000台のCD機が稼動しているという。極めて短時間で現金を引き出すことができるため、CD機の前に顧客が並ぶといったことがなく、大変好評という。
この技術は、NCRが開発したCD機だけでなく、既存のATMにも導入可能。銀行のモバイルバンキングのプラットフォームにこの技術との連携機能を追加し、ATMの画面上に二次元バーコード(QRコード)を表示できるようにすれば、スマホのカメラでQRコードを読み込むことで、モバイルバンキングのシステムがATMの情報や出金者の口座のデータを照合し、現金の引き出しができるようになる。
日本NCRによると、NTTドコモは、NFCチップを搭載したスマートフォンの普及に力を入れていく予定という。
また日本NCRでは、CD機と同じブース内で、「税公金セルフ収納機」も公開。顧客が公共料金などの納付書を機械の読み取り画面にかざし、電話番号などを入力するだけで、公共料金などの支払いができるようになっている。納付書にバーコードがない場合でも、タッチパネルの画面から選択して受け付けることができる。
この機械はすでに西日本シティ銀行に10台導入されており、店頭業務の効率化に役立っているという。