JR北海道は3日、2014年初頭をもって江差線木古内~江差間を廃止したい旨、沿線自治体に説明したことを発表した。
江差線(五稜郭~江差間)は2015年度に予定される北海道新幹線新青森~新函館間の開業と同時に、五稜郭~木古内間がJR北海道から経営分離され、第3セクター化されることになっている。残る木古内~江差間は同社にとって飛び地の路線となることから、この区間への対応が喫緊の課題となっていた。
木古内~江差間では、JR北海道の発足当初より1日6往復12本の列車の運行を維持してきたが、過疎化や自家用車利用の増加、さらに高校の閉校や道立病院の移転などの要因で利用者の減少が続いていた。交通機関の1日1km当たりの平均輸送量を示す輸送密度は、1987年度の253人から昨年度は41人へと減少。同社の営業線区の中で最も利用が少ない線区となっていた。収支状況も厳しく、1,600万円の営業収入(2010年度)に対して経費は20倍以上を要しており、差し引き年間約3億円以上の赤字だという。
今後もトンネルや落石防護工、橋りょうなど老朽化した設備の維持管理に膨大な費用が見込まれることから、路線の維持は困難と判断した。同社は鉄道廃止後の交通手段の確保に関して、「できる限りご支援させていただき、より地域に適した交通手段の構築に協力して参る所存であります」と発表している。