6月28日、29日の両日、綜合ユニコム/月刊フューネラルビジネスの主催する「フューネラルビジネスフェア2012」がパシフィコ横浜で開催された。メインテーマは、「パラダイムシフト(変革)-新しい[葬送文化]と[葬祭ビジネスモデル]の創造」。葬祭業務支援サービス・新商品・新システムなど、葬祭サービスの最新設備機器を一堂に集めた展示会や、出展企業によるプレゼンテーションやシンポジウムを通して最新情報を発信し、120社以上が出展した。

同フェアでは29日、メモリアルアートの大野屋・商品企画開発室の上原ちひろ氏が「『手元供養』喪主をひきつけるプル型戦略と活用事例」と題したプレゼンテーションを行った。

『手元供養』喪主へのプル型戦略と活用事例

プレゼンテーション中の上原氏

悲しみを癒やす手助けをする

同社では、2005年より業界に先駆けて、遺骨や遺灰の一部をオブジェやペンダントにおさめ、身近で故人を追悼する「手元供養」商品のセレクト販売を開始。故人を心のよりどころにしたい人をはじめ、墓参りがあまりできない人からの反響が多かったという。ユーザーの例として、「子どもを亡くした夫婦」「ご主人に先立たれた母娘」「母を亡くした兄妹」などが挙げられた。

さらにこれらのニーズに応えるべく、2009年より遺骨ペンダント「ソウルジュエリー」など、オリジナル商品の開発に注力してきており、2010年度の売り上げは前年比220%、2011年度も270%を超えるまでに成長したとのこと。

上原氏は2012年度の市場規模は12億円、2020年には100億円に上ると予測した。

購入者のほとんどが女性というソウルジュエリー

需要を伸ばす手元供養品

また、同社の「手元供養」商品の葬儀社を中心とする取引先は、2009年に8件だったが、2010年にソウルジュエリー「ミニ骨壺」各種を発売したことにより、2010年度には140件、2011年度には380件に増え、2012年度は600件に上る予測。

同社の「手元供養」商品を葬儀社が導入することで、「グリーフワーク(身近な人を亡くした人がたどる、悲しみから立ち直るまでの心の過程)」「新規顧客開拓」「売上貢献」に役立てたいという。

さらに上原氏は、同社の「手元供養」商品の販売傾向について述べた。現在、販売個数は「ソウルジュエリー」38%、「ミニ骨壺」62%であるが、販売額は「ソウルジュエリー」62%、「ミニ骨壺」38%と逆転しているという。

なお、「ソウルジュエリー」は、同一デザインで、シルバー、イエローゴールド、ローズゴールド、ホワイトゴールド、プラチナと5種類の素材をラインアップ。販売数では安価なシルバーが80%と多いが、販売額では50%になるとのこと。

上原氏は、単価の高い素材が半数を占めており、高額商品を販売していくことで、今後、葬儀社の売り上げ増に寄与するものと訴え、プレゼンテーションを終えた。

「ミニ骨壺シリーズ」から新発売された「純金製シンプルモダン」

メモリアルアートの大野屋の展示ブース

同社の展示ブースでは、「ミニ骨壺シリーズ」から新発売された「純金製シンプルモダン」(参考価格248万円/金税込小売価格1グラム4,308円で計算)をはじめ、84アイテム、約200種を展示。多くの人々が興味深げに見入っていた。

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