不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営するタスは25日、アットホームのデータをもとに分析した、賃貸住宅市場レポート「首都圏版2012年5月」、および「関西圏版2012年5月」を発表した。

平成22年時点の神奈川県および川崎市、横浜市の年齢別人口分布

首都圏版では、「年齢別人口分布から見た神奈川県の住宅市場の変化」と題し、神奈川県の高齢化の状況と今後の市場への影響を考察。年齢別人口分布を見ると、団塊の世代よりも団塊Jr世代の山が高いのがわかる。これは東京23区と同様であるが、その差は東京23区に比較して小さい。

民間借家に居住する65歳以上の単独世帯は約8万世帯あるとされ、平均寿命から推定すると5年以内に約1.5万戸、10年以内に約3万戸、15年以内に約5万戸、20年以内に約8万戸の空室が発生する可能性があるという。また団塊の世代約4万戸がすぐあとにつづいていることから、25年以内には12万戸の空室が発生する可能性もあるとのこと。

賃貸住宅の空室率は需給ギャップに相関が高いため、高齢化の進展による空室の大量供給は空室率の上昇要因となり、神奈川県においても、今後住宅市場に大量の空家・空室が供給されることが予想されるという。

大阪府の需給ギャップと2012年空室率TVIの推移予測

関西圏版の「関西圏賃貸住宅の需給ギャップと空室率TVI推移予測」によると、2011年10月に需給ギャップがピークを迎え、その後調整局面となっていた大阪府は、空室率TVI(タス空室インデックス)が減少傾向にある。しかし需給ギャップは今後横ばいからやや微増傾向となるとみられることから、空室率TVIも2012年後半には微増に転じるものと予測されるという。

京都府の需給ギャップは2011年9月から横ばい傾向であったが、2012年4月からは微増となる見込みで、これに伴い空室率TVIも微増傾向に。兵庫県の需給ギャップは増加傾向から、2012年は横ばいで推移する見込み。よって、空室率TVIも横ばいから微増で推移すると予測されるという。

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