「思い返せば、私の人生はすべてTOEICだった」と語るのは、東京都三鷹で英語教室を開くウィットロック慶子先生。学生時代から英語が好きで、英会話教室を開いてから20年間英語教育に携わっている。

生徒からTOEIC対策の授業をやってほしいという声が集まり、数年前に専用クラスを開講。すると、数カ月で点数が200点~300点上がる受講生が続出! 自身も悪戦苦闘の末、990点満点を取り、それ以来TOEICにほれこんでしまったそう。

確かな指導力と個性的なキャラが生徒にも好評で、なかには北海道・広島県・奈良県などから教室に通ってくる生徒もいる。一体、どんな方法で点数を伸ばしてくれるのか? その秘密を探ってみた。

TOEICの点数が伸びる一番は、○○力があること

―ずばり、TOEICの点数が伸びる人の特徴を教えてください

「能力的なことでいうと、基礎力がある人は自分に合った勉強をすると、一気にパアーンと伸びます。基礎というのは中学英語レベルのこと。中学英語といってもなめたらいけません。中学英語をマスターできている人は現役中学生でもいませんから。

あと、メンタルの部分でいうと、自分の先生を信じている人は点数が伸びます。英語の先生としての“メンター”を見つけて、その人を信じて努力し続けられる人は成長できると思います。

あとは自分が“TOEICにほれているかどうか”だと思います。

私はTOEICが好きなんです。会場にテストを受けに行くのも好きだし、問題文もポジティブで好きだし……なんで好きかと言われても、うまく言葉にできないですが、TOEICにほれてる人は、嫌でも点数が伸びますよ」

自分の能力に合った勉強をしないといつまでも点数が上がらない

―生徒さんをどう指導して、TOEICの点数を伸ばしていらっしゃるのですか?

「その人に合った勉強法や問題の解き方を教えてますね。だから、点数が伸びるんだと思います。例えば、リスニングの場合、生徒のタイプが理論派とアーティスト派の2つに分かれるから、それぞれに合った方法を提案します。

アーティスト派というのは、音楽をやっていたり、洋楽を聞いていたりする人のことで、このタイプはリスニングが得意。

彼らは“ざっと聞く”ことができるから、それ以上の点数を取るためには“細かく聞く”ように教えます。ところが理論派の人は“ざっと聞く”ことができない全くの逆のタイプなんです。

だからと言って『ざっと聞いてみて!』といってもなかなかできないので、具体的なやり方を教えます。ただ、リスニングの聞き方一つでも、人それぞれのクセみたいなものがあります。

そのクセは、無意識だから自分では気づかない。そこで、私がそれを発見して、合った方法をやってもらう。それが、一番効果的ですね」

―なるほど。ところで、先生の授業で使う教材を参考に勉強したい読者が多いと思うのですが、何を使われてるのですか?

「世の中にTOEIC教材や対策本はたくさんありますが、結局TOEIC公式テキストを使っています。使っている理由として、リスニングのナレーターも本試験と同じ人など、本番と同じ条件がそろっているから、一番使えるんですね。

ただ、解説がないから独学には向かない。もし、独学で参考書を選ぶなら、著者や監修者が、TOEIC対策の専門家かどうかをみると良いです。いろいろ手を出されている方が書いているものよりは、TOEIC講師として生計を立てているかどうかを見極めてください」

―企業秘密かもしれないのですが、試験で使えるテクニックを教えていただけないでしょうか。

「TOEICのテクニックってたくさんあって、組み合わせて考えると膨大な数になります。すべて教えると、みんなの点数が上がるので、あまり教えたくないんですけど(笑)。今、YouTubeで『TOEIC必殺技辞典』というTOEIC試験対策向けの講義をアップしているので、その内容を紹介したいと思います」

●2回に1回出る頻出問題を覚えておきましょう

「この問題は、2回に1回出題されます。5点くらいの分量ですが、確実に得点アップにつながりますので、必ず覚えてください」

・both A and B(AとB両方)
・either A or B (AかBかどっちか)
・neither A nor B (AでもBでもどちらでもない)

「次のテクニックの前に、下記の文を読んでください」

・The sales figures have risen significantly over the last quarter.
売上高は、前四半期の間でかなり上がった。

・名詞にsがついたら“素直に複数扱い”に!
「文中のfiguresは複数扱いか単数扱いか分かりますか? TOEIC試験では、基本的に名詞にsがついていたら複数扱い。ただし例外として、「news」、「headquarters」は単数扱い、と覚えましょう」

・受験に出ない「over」の意味
『文中の「over」は、現在完了の「継続」で使われる「for」と同じ。「over」は「~以上」という意味だけでなく「~中、~の間」など期間を表すときもあります』

・頻出の副詞! “TOEIC界のスリーアミーゴス!”
『significantlyは「たくさん」という意味の副詞。こういった頻出の副詞を知らないと高得点は無理です。「significantly」、「substantially」、「considerably」の3つは必ず覚えましょう』

「上記はTOEICのテクニックの一部です。ほかにも、リスニング力をつけるために方法や、速く解答するための秘策など公開しているので、気になった方はぜひ見てみてください」

TOEIC990keiko - YouTube

途中で挫折しないためには、限界を決めないこと

―『TOEIC必殺技辞典』の授業面白かったです! 指し棒が刀だったのが衝撃的でした。

「やるからには楽しくやる、というのが私のモットー。勉強するには、精神的なものもすごく大事だと思います。小学生が、九九は覚えられないのにアニメのキャラクターの名前は覚えられるのと一緒なんです。

あと、社会人の方は、時間がない人が多いと思いますが、本気で点数を伸ばしたいなら、今までの生活習慣を変えるつもりでやってほしいです」

―続かずに挫折しそうになる人へアドバイスをお願いします!

「とにかく自分の限界を決めないことが一番。英語に限らずなんでもそうですけど、自分の限界を自分自身で勝手に決めてしまう人っていると思います。

ただ、990点取っている人間がこの世にいる限り、あなたも点数を伸ばせます。『ほかのホモ・サピエンスができるんだから、私にできないことはない!』と考えてください。

信じている限り、必ずできます」

●お話を伺った人

ウィットロック慶子先生

PTL英会話&TOEIC三鷹の代表。TOEIC990点満点、英検1級の資格所有者。華やかなドレスを身にまとい、時には日本刀を振りかざしながら授業を行う姿は唯一無二の存在感。授業中は笑いが絶えず、生徒を飽きさせることがない。

厳しくも熱心な指導は、生徒の間では「愛の特訓」と呼ばれる。また、講師のかたわらハリウッド女優を目指し活動しているが、今後は「TOEIC界のマドンナ」として活躍の場を広げる予定。4月には六本木に事務所を構え、TOEIC対策授業を開講する。

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