加藤夏希がとんでもないことになってしまうヴァンパイア映画『レッド・ティアーズ』の製作総指揮を務め、自ら出演もしている"和製ドラゴン"こと国際的アクションスターの倉田保昭に直撃インタビュー。ブルース・リーはマブダチ、ジャッキー・チェンとは何度も共演、さらに本作で映画出演100作目という驚異的人物が、日本映画の問題点から本作製作のきっかけとなった仰天アイデアまで、強烈なパンチ&キックを繰り出すがごとくに語り倒してくれた。
「若い人に、どうしてそこまで貪欲なのかと聞かれますが、僕はアクション俳優。アクションシーンで死ねるなら上等だと日々思っています」と覚悟を語る倉田が生み出した本作の世界観はすごい。
物語の舞台は、猟奇的連続殺人事件が多発している東京。事件捜査担当している刑事の野島(石垣佑磨)は、重要参考人である紗代子(加藤夏希)に好意を抱いてしまう。一方、野島の先輩刑事であり、謎めいた人物・三島(倉田)は極秘任務を遂行中、紗代子に接近する。三島の正体こそ、警視庁に組織されたヴァンパイアハンターだった……。スーツの下には当然のように日本刀、重力を無視した飛び膝蹴り、ダイナミックなワイヤアクションが説明なく繰り出される様は、クエンティン・タランティーノ監督が熱狂したハチャメチャな香港製クンフー映画そのもの。またクライマックスに展開する加藤との死闘は、お宝映像になること必至だろう。
1970年代から現在まで、世界をまたにかけて活躍している倉田には「映画は誰のために作っているのか? それはお客さんのため。サービスをしなければ映画じゃない」との信条がある。現在の邦画界に対して「グローバル性がない」と一刀両断の倉田は「世界のお客さまを対象にして映画を作っておらず、日本だけでヒットをすればいいという考え方がある」と問題点を指摘。さらに「舞台あいさつでもなんでも、10分程度話して終わりでは、観客との距離があり過ぎる。特技を見せたり、サインをしたり、ファンとの交流を深めるべき」と日本人俳優のあり方にも苦言を呈する。そんな厳しい言葉も「日本にはいい芝居ができる俳優がたくさんいる」にもかかわらず、海外で日の目を見る人物が少ないからだろう。
ワイヤアクション、スプラッター、カンフーバトル、ラブロマンスとジャンルごった煮やみ鍋的本作こそ、「サービス精神旺盛」という言葉がぴったりと当てはまる。映画を作るときに、物語の鍵となるアクションシーンを1番に考えるという倉田は「猛スピードの車で人間を実際に跳ね飛ばしたら、どれくらいの距離を飛んで、どんな衝撃で倒れるのかなと想像したのがスタートです」と本作製作における仰天アイデアを明かす。「人間は手足4本しかないですから、100本もの映画に出演してしまうとニューアイデアが出ない」と苦労したようだが、「外国では大ウケで、大爆笑された」と観客の予想外の反応に驚きつつも、記念すべき100本目の出演作には大満足の様子だった。
映画『レッド・ティアーズ』は4月7日より、シネマート新宿ほかにて全国順次公開
PROFILE
くらた・やすあき
1946年3月20日、茨城県出身。1971年、映画『悪客』で香港映画デビュー、一躍香港映画界でブルース・リーとならぶスーパー・スターとなる。またリーたっての希望で映画主演をするなど、リーとは強い信頼関係で結ばれていた。そのほか、ジャッキー・チェン、チョウ・ユンファ、ジェット・リー、ドニー・イェンら世界的アクションスターとも映画で拳を交えている。日本では映画『闘え! ドラゴン』、人気テレビドラマ「Gメン'75」、などに出演。近年では、香港映画だけにとどまらずハリウッド映画やフランス映画界にも進出。俳優のほか、プロデュース業にも辣腕(らつわん)を発揮している。自ら企画、原案、プロデュース、アクション監督、主演を行った日本・香港合作の映画『ファイナルファイト』は世界50カ国で劇場公開され、記録的大ヒットとなる。還暦を過ぎてもなお、精力的に活動するその姿は、アクション俳優の鏡以外の何ものでもない
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