俳優の阿部寛と女優の新垣結衣が28日、東京・有楽町の日劇2で行われた映画『麒麟の翼』の初日舞台あいさつに出席した。

映画『麒麟の翼』の初日舞台あいさつに出席した阿部寛と新垣結衣 拡大画像を見る

舞台あいさつにはキャストの阿部、新垣のほか、中井貴一、溝端淳平、田中麗奈、松坂桃李、三浦貴大と土井裕泰監督が出席し、加賀刑事役の阿部は「観終わった皆さんがいい顔をしてて、感無量。いいものを持って帰ってもらって、いつの日か役立てて欲しい」と感慨深げ。容疑者の恋人役を演じた新垣はミステリー初挑戦。「撮影中は得られるものが多かった。完成した後も、いい影響を与えてくれた作品だと実感してます。今、この場所に立ってて幸せです」と笑顔で語った。加賀の相方・松宮刑事を演じる溝端は、阿部との共演に「俳優をやっていてすごく貴重な時間だった。絶対感動して頂ける作品」と胸を張ったが、土井監督が「続編は"麒麟のくるぶし"ですかね。松宮刑事は出ないかもよ」と冗談を飛ばすと、「何言ってるんですか!?次もお願いしますよ!」と慌て、会場の笑いを誘った。

同作では、家族や恋人との繋がりが事件を通して描かれているが、中井は「今の世の中は、家族がバラバラになっているのが問題。家族の関係性をきっちりすれば、世の中は良くなると思う」と語り、中井演じる被害者の息子役の松坂は「感じるものが多かった役で……。父との関係性とか自分の周りのことを考えるようになった」と作品に影響を受けた様子。また、新垣は「家族と距離を感じていたこともあるし、今も引きずってる部分がある」と告白するも、「(この作品を通して)大事な人への想いをより素直に表現できるようになった気がする。限られた時間を一緒に過ごすなら、笑顔でいたいじゃないですか。この作品が距離を縮めるきっかけになって、皆さんが笑顔で過ごせたら」と熱弁すると、阿部は新垣の話に感動。父親が会場に来ていることを明かし、「僕も最近、家族の歴史や戦争の話を親父と話すようになった。後悔しても仕方がないんですが、色んな話をもっと早くするべきだったなと思います。(家族と繋がる)きっかけが生まれたら嬉しいです」と真摯に語った。

左から、土井裕泰監督、田中麗奈、中井貴一、阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、三浦貴大

映画『麒麟の翼』は、東野圭吾原作のミステリー"加賀恭一郎シリーズ"の最新作を映画化した作品。東京・日本橋の麒麟像の下で男性の刺殺体が発見され、刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は、独自に捜査を進めるが捜査に行き詰まってしまう。加賀は、すれ違う心が起こした哀しい殺人事件の真実を見つけ出せるのか――というストーリーで、去年4月には、前作の『新参者』がTVドラマ化されている人気シリーズ。映画は、全国公開中。