10月1日から放送スタートするNHK連続テレビ小説の制作発表会見が19日、NHK大阪放送局で行われた。

NHK連続テレビ小説『純と愛』の脚本を手がける遊川和彦氏 拡大画像を見る

現在放送中の『カーネーション』、4月にスタートする次作『梅ちゃん先生』に続く平成24年度後期作のタイトルは『純と愛』。大阪市大正区を含む大阪ベイエリアと沖縄県の宮古島を舞台に、若い夫婦の成長を描くハートフルコメディーだ。宮古島で育ったヒロイン・純は正義感が強く、おせっかいで何事にも首を突っ込む女性。祖父の代から続く実家のホテルをこよなく愛しているが、その経営方針を巡って父親と衝突し、単身大阪へ。ホテル業界に飛び込んで奮闘する中、のちに夫となる男性・愛(いとし)と出会う。

脚本は、最高視聴率40%をマークし、社会現象にもなった昨年の大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)を手がけた遊川和彦氏が担当する。「人はつけあがるとよくない(笑)。(『ミタ』のヒットに)驕り高ぶることなくやろうと思っております」と笑わせた遊川氏は、「みなさんに主人公の人生を応援したいと思ってもらえるドラマを作りたいので、まずは自分が主人公を愛せないといけない。僕は過去のどの作品でもそれをやり続けていますが、こういうときこそ"継続"です」と意気込んだ。

また、ヒロイン・純の人間像については「ピュアな人間を書きたいので名前も“純”になった」と話し、自分の愛するものに対して真摯で、それ故に人とぶつかることも恐れない女性だと説明。「ある種、無鉄砲な子。でも、そういう人間だからこそ、その人にしかできないことを成し遂げることもあると思う。特に若い人にはそういう思いを持ってもらいたい」と話した。

『純と愛』のテーマは、タイトルが示す通り"純愛"。このテーマを選んだ理由について遊川さんは「僕は56歳ですがまだ結婚していなくて、その理由は未だに愛についてよくわからないからなんです。でも今でも純愛がしたいし、愛を貫きたいけどなかなかできない(笑)。なので、純愛を貫く男女を半年をかけて描いてみたいなと思いました」とコメント。「人が愛し合ってそれを貫いて、それを伝えることでまた新しい愛を育んでいくことは、人間が誇れる行為だと思います。そんな人間本来の美しさを我々は持ち続けているのだろうかと訴えていきたいし、自分もそんな生き方に近づいていけるよう問い続けていきたい」と作品に込めた思いを語った。なお、ヒロイン役のキャストはオーディションで選ばれ、3月に発表される。