結婚式離れが起きているのは業界の責任?
――スマ婚のサイトには、激安ではなく「適正価格を追求しただけ」とありますね。
「従来のブライダル業界ではお客様目線での適正価格の追求をせずに、冠婚葬祭特有のリピーターのないサービスをいいことに、お客様1組あたりの単価をいかに上げるかに終始してきました。その裏付けとして、結婚式組数は『結婚式離れ』を別にしても少子化や不景気で年々減っていますが、結婚式の平均費用は『ゼクシィトレンド調査』からも分かるようにここ数年上がり続けています。これはブライダル業界がお客様の絶対数が減ったことを、お客様1組あたりの単価を上げることによって乗り切ろうとした結果ともとれます。バブルの時代であればそれでも良かったのでしょうが、不況の現在でも変わらずに同じことを繰り返すと『結婚式離れ』に繋がります。ただ、適正価格の追求が行われてこなかったことは残念ですが、ある意味仕方がない事情もブライダル業界にはあります」。
――その"事情"とは?
「お客様の大半は豪華で素晴らしい会場で結婚式をすることを望まれます。それには多額の建設費・維持費・設備投資費用がかかります。結婚式自体は、スマ婚もそうですが基本的に土日祝日にしか行われません。さらに、従来のブライダルは自社会場のみで結婚式を行うため、1日に行える組数に限度があり1組あたりのお客様の費用をどうしても高額にする必要がありました。このような事情から、通常では考えられない利益を乗せた価格設定であるブライダル価格と、ブライダル特有の業者本位の様々なシステムが生まれました」。
――スマ婚は自社の会場を持っていませんね。
「スマ婚では自社会場を持たず、多数の会場と提携することで1日に多くの結婚式を行えるようにし、多数のお客様に利用していただくことでお客様1組あたりの費用を最小化しました。つまり、スマ婚は従来とは逆の発想でブライダルに薄利多売方式を持ち込んだのです。スマ婚が従来通りのブライダル価格ではなくユーザーが納得できる価格、業者本位ではなくお客様の立場に立ったシステムでサービスを実現できた大きな理由がこの薄利多売方式です」。
ドレスや写真撮影はなぜ高額なのか
――"業者本位のシステム"とは、他にどういったものが?
「従来のブライダルでは会場ごとに専属業者が指定され、ブライダルアイテム業者は専属指定業者になるために、多額の契約料と約40%~60%の高額なマージンを支払ってきました。ブライダルアイテムにこの高額なマージンを乗せた通常では考えられない高価な価格設定を私たちはブライダル価格と呼んでいます。具体的な例として分かりやすいのは写真撮影です。『プロカメラマンによる約3時間の撮影+アルバム』というサービスは、街の写真屋さんで頼めば6万円程度ですが、ブライダルでは約20万円もします。カメラマンの技術が同じでもブライダルになった途端に値段が跳ね上がります」。
――高額である理由は?
「ブライダルアイテムは特注品のために高いと説明されることが多いのですが、実際は一般の商品と変わらないことがほとんどです。特別に高い理由は、会場側のマージンが約40%~60%と一般より異常に高いからです。また、ウェディングドレスにしても例えば30万円のドレスをレンタルすると、実はお客様の費用の半分の15万円は会場のマージンに消えている状態です。そして、お客様の自由なアイテム選びの障害となることが多い『持ち込み料』は、高額なマージンを専属指定業者から確保するためにあるブライダル特有のシステムです」。
――その"高額なサービス"について、利用者の考えは?
「結婚式は冠婚葬祭特有のリピーターのないサービスのため、通常では考えられない高価な価格設定がまかり通ってきました。お客様が幸せの絶頂にいることも手伝い、金額感を疑われることもあまりなく、ほとんどの方が結婚式後に冷静になり、高かったことを実感されます。実際に結婚式を挙げた方のアンケートでは89.4%もの方が結婚式の金額感を『高い』と感じているという結果が出ています(「結婚に関する調査」2010年mediba調べ)」。スマ婚は専属業者を指定せず、『持ち込み料』を無料にすることで価格競争を促し、余分なマージンを徹底的にカットし適正価格の追求を行いました。そうしてスマ婚は従来の結婚式を約半額の費用で実現することが可能になりました」。