――スマ婚は、打ち合わせ回数も少ないと聞きます。
「先ほどの『持ち込み料』もその一つですが、私たちが大きな問題だと感じたのは、申し込み時からどんどん上がっていく見積りでした。ブライダル業界では申し込み時の見積りは安価にし、打ち合わせを重ねるごとに費用を上乗せし、最終的には見積もりを約100円~150万円も上げる手法が一般的に行われています」。
――従来サービスでは、費用を上げていくために打ち合わせを重ねるのですか?
「結婚式の準備期間は一般的に約1年と言われていますが、実際は一般的な結婚式をプロデュースするために必要な期間は2~3カ月で、実績を持っているブライダル業者であればそれだけあれば十分です。お客様への『セールスの機会』と『貯金をしていただく期間』を増やすために長い期間をもっています。この間に、お客様はプランナーと平均5~6回の打ち合わせを重ね、関係は親密になります。親密になること自体はなんの問題も無く、むしろよりよい結婚式を作り上げるために良いことですが、その反面、お客様は高価なアイテム・演出の追加も親密なプランナーから『一生に一度』とすすめられると断りにくくなってしまいます」。
「申し込み時の見積りが最終見積り」をモットーに
――スマ婚では見積りを上げるセールスはしないのですか?
「スマ婚ではこういったセールス手法を一切やめ、お客様の立場に立ち本当に必要な打ち合わせ回数と期間を設定しています。『申し込み時の見積りが最終見積り』をモットーに、お客様に安心いただけるシステムであることもスマ婚がお客様から支持を得た理由だと考えています。また、通常結婚式は300万~400万円もの大金を事前に準備する必要がありますが、新郎新婦の大きな負担となっているこのシステムの理由は会場のリスク回避です。不透明な価格設定とシステムのためブライダル業界はクレームがとても多い業界です。会場が全額前払いとするのは、クレームによる未回収のリスクを無くす理由がほとんどです」。
スマ婚では、挙式や装花、ヘアメイク、照明、音響などがセットになった「スマ婚パック」を16.8万円に設定し、こちらの料金以外はご祝儀での後日清算が可能なシステムを採用している。つまりこれは、スマ婚というサービスに対しての自信のあらわれともいえるのではないだろうか。好調に推移している挙式数は、業者本位であったブライダル業界の中で、次々と業界の常識を打ち破り、「お客様本位」を貫いた結果といえよう。