『オーシャンズ13』、『トラフィック』などで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督が10日、都内で新作映画『コンディション』の来日記者会見を行った。ソダーバーグの来日は2008年以来、約3年ぶりとなる。

マット・デイモンには脚本を送った際、読み終えたら「手を洗うように」と伝えたという

全米初登場1位を記録した本作は、感染すると数日で命を落とす新種ウイルスが世界規模で蔓延し、目に見えない敵に翻弄される人類を描いたグローバル・サスペンス。ソダーバーグは、まず映画のテーマについて「人間は極限の状態に置かれたとき、どう対応するのかを描こうと思った」と話し、自身の監督作品『トラフィック』を例にあげ「麻薬は避けようと思えば避けれるけど、ウイルスは全ての人に関係してくるからね。映画のテーマとしてはすごくいいと思ったんだ。説明しても説得できないものを敵として描くことは難しかったね」と演出上の苦労について語った。また、監督自身が最も恐怖を感じる瞬間について問われると「自分が感じている感覚が、他の人が感じている現実とは違うことが分かったら混乱するだろうね」と答えた。

マット・デイモン、マリオン・コティヤール、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、ケイト・ウィンスレットと、多くのアカデミー賞の常連キャストが集結したことについては「登場人物が多い分、各自の撮影時間も短くなるから忙しい彼らでも出演してくれたのかも(笑)」と話しつつ、「ただ、映画自体がスピード感のある展開なので、観客がそのロープに掴まりストーリーに付いて行くためには、演技力のあるスターが大勢必要だったんだ」と起用理由についても明かした。

CMWHO(世界保健機関)などに綿密なリサーチを行って膨大な量のシーンを撮影したものの「映画をスピーディに展開させるために1時間はカットした」と明かした

また、3月11日の東日本大震災について「今年3月に日本で大変な出来事が起こった。早く日本のみなさんが以前までの生活に戻れることを願っているよ」とエールを送っていた。

映画『コンテイジョン』は11月12日(土)より全国公開。

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