第24回東京国際映画祭(TIFF)の特別招待作品『ハラがコレなんで』(石井裕也監督)の舞台挨拶が27日、TIFF会場の東京・六本木ヒルズで行われ、主演の仲里依紗、中村蒼、石橋凌らが登壇した。

『ハラがコレなんで』舞台挨拶に登壇した(写真左から)中村蒼、仲里依紗、石橋凌

同作品で仲が演じるのは、妊娠9カ月を迎えながら彼と別れ、昔住んだ長屋での生活を余儀なくされながらも、義理人情と"粋"を大事にして生きる女性・光子。「日本人として尊敬できる女性の代表」と仲は自らの役を評価し、「妊婦さんって一番不安定な時期じゃないですか。でも妊婦さんらしくないというか、自分もつらいはずなのに周りに見せないところが、私は"粋"だと思いました」と話した。

仲演じる光子は、長屋で生活する中で大家の清(稲川美代子)の面倒を見、客のほとんど来ない食堂を営む次郎(石橋)や陽一(中村)を助けるために大活躍する。中村は石橋との共演シーンについて、「深くは言えませんが、石橋さんと……、ちょっと仰天なことが起きるんです。『えっ!? ここで?』みたいなことが。それで僕の10代最後が……」とコメント。意味深な発言(?)に、会場から笑いが起きた。

従来のイメージと異なる役を演じた石橋は、「私の役どころといえば、大体危ない男で最後に殺されてしまうのですが、今回は最後まで生きています(笑)。非常に愚直で、陽一を男手ひとつで育てるという役で、撮影を終えた後も、ずっと次郎でい続けたいと思うほどでした」と語った。

東京国際映画祭での上映に、仲は「海外の方にも見てほしい映画だと思います」

中村は同作品の撮影中に20歳に。その日出番のない石橋凌もお祝いに来たそう

タイトルにちなんでのメッセージを求められると、仲は「この映画はウケるんで!」と発言。「『マジウケる~』というのと、『みんなに受け入れられる』と、どちらの意味にも取れると思うんですよ。いま元気のない日本の皆さんに見てもらい、いろんな思いを受け取ってもらって、『よし、がんばろう』とか、プラスになるような映画になったらいいなと思います」と説明した。

『ハラがコレなんで』は、11月5日より渋谷シネクイントほか全国ロードショー。