2011年10月よりTOKYO MX、チバテレビ、tvkほかにて放送開始となるTVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』。ついに最終章を迎える本作より、坂井悠二役の日野聡とシャナ役の釘宮理恵から届いたメッセージと先行場面カットを紹介しよう。

TVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』は2011年10月より放送開始予定

日野聡と釘宮理恵が語るTVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』

――まずは『灼眼のシャナIII』、おかえりなさい!

日野聡「待ちに待った三期ですね! ホントにやれるんだっていう嬉しさと、原作同様にゴールできる安心感と。思い入れの深い作品なので、それだけファイナルに向ける想いはすごく強いです」

釘宮理恵「実際にアフレコが始まって、まずはスタート地点にたどり着けたことがすごく嬉しいです。ここからは、この作品に私自身全力で向き合っていきたいという、覚悟の気持ちでいっぱいです」

日野「『FINAL』ですからね、これで最後までやらなかったらショックですよ?」

釘宮「最終回のあとに『劇場版、製作決定!』って出たりして(笑)」

――さて、三期の内容についてですが……、今回は簡単に言いますとシャナと悠二が周りを巻き込んで大ケンカする話じゃないですか

日野「違いますよ。ディベートするんです」

釘宮「ケンカじゃないの? 規模が大きい!(笑)」

日野「そうです。ケンカじゃないんです」

――まるで悠二みたいなことを……(笑)。その悠二が、三期では攻める側に回ったことで、ふたりの関係がこれまでと逆転することになります。シャナとしてはやっぱり、戸惑いますよね?

釘宮「最初は戸惑いが隠せないです。まず、どん底に叩き落されたクリスマス直後、吉田さんとシャナの手元に届いた悠二からの手紙で、シャナがすごく混乱してしまうんです。そのあとも、悠二によって惑わされるのですが、そこはシャナらしく、バチっと『負けない!』って気持ちに切り替える。そうすることで自分がものすごく追い込まれるにもかかわらず、その選択をしてしまうのは、シャナらしいなって思いますね。自分はさておき、大切にしたいものが傷つけられるのは、やっぱり黙って見ていられない。シャナ自身の悠二に対する恋心はさておいて、ね」

――周りから見たらシャナとの対峙を選んだことは驚きですが、悠二の中では積み重ねてきたことでたどり着いた結論だと思います。日野さんの中ではどう整理を付けられているんでしょう

日野「"紅世"の世界に巻き込まれた、まったく力の無かった普通の青年が、少しずつ少しずつ自分の置かれた立場を知って、シャナと共に歩むことで、彼自身も成長してきました。それでも強大な敵と戦うためには、より大きな力が必要だと悠二自身も感じ取っていたんです。特にサブラクとの戦いあたりからでしょうか。大切な人たちを守るための力は、どうやって補ったらいいのか考えた結果が、きっと創造神と自分の意思の融合に繋がったんですね。最強に近い力を手にして強制的に"徒"を統べることで、平安をもたらす。その一方で、フレイムヘイズの側にも理解してもらわなくてはならない。シャナには自分の側にいてほしいから、着いてきてとは言うものの、彼女が絶対に理解できない考え方であることもわかっているんでしょうね。その食い違いをどう埋めていくのかが問題だとは思いますけど、最終的な落としどころが悠二の思い通りになるのか、はたまた、ゼロからまた作り直すという答えに至るのかまでは、今の段階でわかりません。そもそも、悠二と創造神の目指すところは、今のところ折り合いがついているだけで、必ずしもイコールではないですからね」

――日野さんは、成長した悠二と"祭礼の蛇"の人格、ふたつが混ざった状態を演じる難しさがあるんじゃないですか?

日野「蛇悠二に限っては、今までの悠二とはまったく違うキャラだと思って演じてるんですよ。悠二が"王"になったというよりは、蛇として復活したキャラクターという感覚。だから見かけが悠二バージョンのときでも、ベルペオルたちに対しても、常に落ち着いて威厳のある雰囲気を出す表現になってるので、自分の中で悠二を引きずっている感じはしてはいないですね。ただ、シャナと対するときは、悠二の本音を出しつつ、蛇の立場での発言もする。すべて本音ではあるんですけど、シャナの立場から見ると理解しづらい行動をとっているかなあ。まあ、シャナといるときの方が特殊な状況という感覚ですね」

――ではここからは一視聴者として。これまで携わってきた作品が最後を迎えるにあたって、どんなことを期待していますか?

釘宮「古参のフレイムヘイズとの絡みは、うれしいです。特にゾフィーとの絡みは、シャナがすごく輝いていて、よっぽど嬉しいんだなって感じます。殺伐とした状況だけに、ほっとできる面もあります。敵方のキャラも魅力的です」

日野「まあね」

釘宮「それぞれのキャラの言動にも何か伏線があったりするので、今後この人たちを相手に大変になってくるのかなって」

――では最後に。三期を前に復習するならここ! というシーンなどは……

日野「僕的には確か、1話から、20…いや40……? 45、47話くらいまで、すごく重要なことが描いてあった気がするので、そこをちょっと復習していただければ」

釘宮「これまでの作品を放送前に見て、話がつながるようにして頂きたいです!」

日野「そうですね。優秀な方はきっと、再放送などをチェックしていらっしゃると思いますし」

釘宮「『シャナたん』とかも含めて!」

日野「『シャナたん』もなの!? ハードル高っ!!(笑)」

釘宮「原作、コミックと、いろんな入り口から『シャナ』の世界に入ってきてもらいたいですし、元々知ってる方は講習会を開いて詳しく教えてあげてください」

日野「町内会で上映会をしてもらったり、学校の先生でしたら授業に取り入れるなどして……」

釘宮「ひとりひとりの地道な活動で『シャナ』って語りたくなるよね、という環境づくりを!(笑)」

――1期2期一挙上映! みたいなイベントも期待したいところですね!(笑)


TVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』は、2011年10月7日より、TOKYO MXを皮切りに、チバテレビ、tvk、MBS、CBC、BS11、AT-Xにて放送予定。ニコニコ動画、ショウタイムでの配信も行われるので、こちらも注目しておきたい。

■TVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』おもなスタッフ
原作 / 高橋弥七郎(アスキーメディアワークス / 電撃文庫 刊)◆イラスト / いとうのいぢ◆監督 / 渡部高志◆シリーズ構成 / 小林靖子◆シリーズ構成協力 / 高橋弥七郎◆キャラクターデザイン / 大塚舞◆総作画監督 / 大塚 舞、井本由紀◆徒デザイン / 石垣純哉◆プロップデザイン / 高瀬健一、亀谷響子◆色彩設計 / 伊藤由紀子◆美術監督 / 黒田友範◆撮影監督 / 中西智一◆編集 / 西山茂◆音響監督 / 明田川仁 ◆音響制作 / マジックカプセル◆音楽 / 大谷幸◆OPテーマアーティスト / KOTOKO◆EDテーマアーティスト / ALTIMA (アルティマ)◆アニメーション制作 / J.C.STAFF◆製作 / 『灼眼のシャナF』製作委員会

■TVアニメ『灼眼のシャナIII-FINAL-』おもなキャスト
シャナ / 釘宮理恵◆坂井悠二 / 日野聡◆アラストール / 江原正士◆吉田一美 / 川澄綾子◆マージョリー・ドー / 生天目仁美◆マルコシアス / 岩田光央◆ヴィルヘルミナ・カルメル / 伊藤静◆ティアマトー / 渡辺明乃◆佐藤啓作 / 野島健児◆田中栄太 / 近藤孝行◆緒方真竹 / 小林由美子◆池速人 / 野島裕史◆シュドナイ / 三宅健太◆ベルペオル / 大原さやか◆ヘカテー / 能登麻美子
(C)高橋弥七郎/いとうのいぢ/アスキー・メディアワークス/『灼眼のシャナF』製作委員会