満腹になった後には、腹ごなしに買い物に出かけるのが正しい旅の順序。イスタンブールでグルメ好きにおすすめの買い物スポットといえば、エジプシャン(スパイス)・バザールだ。
ピスタチオ、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツ類は超が付くほど良質で、日本のビールにもよく合う。カラスミやドライフルーツ、チーズもお土産におすすめ。さらに、トルコの人気コーヒー「メフメット・エフェンディ」のショップもこのバザールにある。
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エジプシャン・バザールもアヤソフィアなどのある旧市街に位置。ナッツやドライフルーツ、カラスミなどを売る店は入口すぐに数軒 |
バザール入口を入って1つ目の角を曲がり、少し行ったところにあるメフメット・エフェンディの店。いつも行列ができている |
サバサンドの"パフォーマンス"は必見
そして、このエジプシャン・バザール入口の前、ガラタ橋近くで食べられるのが名物のサバサンド。その名の通りの鯖のサンドイッチなのだが、海岸につけた船の上で鯖を焼き、その場でパンに挟んでくれる"パフォーマンス"が見物。魚が新鮮な上に、生の玉ネギ、塩とレモン汁の調味料とのバランスが絶妙で、一気にいってしまう食べやすさだ。
お安く極上のスイーツ天国
今やスイーツは女性だけのものではなくなったが、トルコはスイーツ好きの男たちの国でもある。エジプシャン・バザールにあるスイーツ店では、小麦粉を揚げてシロップをかけたシンプルなスイーツをスーツ姿の男たちが食べ、新市街の目抜き通りにあるカフェでは男同士でケーキやチョコレート系の菓子を当たり前に頬張っている。
そんな"男のスイーツ天国"のイスタンブールにあって、コンビニ価格で絶品のスイーツが味わえるのが老舗「サライ」。新市街のイスティクラル通りにあり、店内は少し古い大衆レストランか広めの喫茶店といった趣だが、人気店だけあって常に混んでいる。
トルコのスイーツは、日本人には甘すぎたり、油濃くてヘビーなものも多いが、ここ「サライ」にはおすすめのスイーツが揃う。上新粉でできたモチのような食感の「カザンディビ」、ナッツやレーズン、フルーツなどが入ったシリアル風の「アシュレ」、米を使ったプリン「フルン・シュトラッチ」など、どれも文句なしに美味。1人で2~3皿は食べられる。
前菜だけで満足!? トルコ料理の神髄
さて、最後はディナー。夜になればお酒も飲みたくなる。トルコはイスラム国ではあるが、政教分離が徹底していて、ある程度のレストラン(とは言っても、予算は1人3,000円程度)なら、ワインもビールも置いてあるのでご安心を。
トルコ料理はメゼと呼ばれる前菜が多いのが特徴。トルコ風ピラフの葉巻き、アーティチョークのオリーブオイル冷製、いんげん豆のオリーブオイル・ソテーなどが代表的なメゼ。スープで有名なのはレンズ豆のスープや焦がした小麦粉のスープなど。口当たり良く、飲みやすいものが多い。トルコはパンもおいしいから、前菜とスープとパンで満足してしまうほど。
メインは、牛肉とヒヨコ豆の煮込み、トルコ風ハンバーグのキョフテ(クスクスに近い)、ケバブ類、イカのフライ、ムール貝のフライなど。オリーブオイルを使った料理が多い。
トルコはワインの生産で有名で種類も多い。「ヴィラドルジャ」や「チャンカヤ(白)」、「アンゴラ」などが有名。ビールでは「エフェス」が口当たりよく飲みやすい。イスタンブールではベリーダンス・ショーも必見。滞在中1日は、ディナーを楽しみながらショーを観る夜を確保しよう。
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ダンサー降臨! ベリーダンスだけでなく、観客参加のダンス・コンテストなど楽しい催しも。ちなみにベリーダンスのディナーショーは350TL / 7,000円前後が相場 |
庶民派グルメの奥深さを実感
前述したように、トルコは遊牧民としての歴史と東西文化の通り道という地域性から、長い年月をかけていろんな食材や食文化を受け入れてきた国だ。庶民派のグルメも様々なものが街に溢れ、スイーツだけをとっても種類は数えきれないほどある。また、ヨーグルトなどのようにトルコ発祥のものも少なくない。物価が安めで、庶民派グルメに絞ればだいたい日本の7割から半値くらいで食べられるのも魅力だ。
一週間程度の滞在ではとても満足には食べ尽くせなかった。トルコの庶民派はグルメは奥が深すぎる。
※記事中の価格は取材時のもの。1TL(トルコ・リラ)=約50円換算。