全品280円! しかもボリューム感アリ!!

サラリーマンの味方、均一居酒屋。そう、お酒も料理もすべて同じ価格という業態だ。しかし、安さに惹かれて行ってはみたものの、いくら催促してもなかなか料理は来ないわ、来たとしても「えっ!? 」と驚くほどお粗末な内容だったりすることも多い。そんな中好調なのが焼鳥居酒屋「鳥貴族」。全品280円(税込294円)均一、というスタイルながら、安さとおいしさを両立し、破竹の勢いでの出店攻勢をかけている。大阪、名古屋、東京を中心に展開し、2011年1月には200店舗を達成し、6月末現在で227店舗となっている。

1本あたり90gものボリュームに驚く「もも貴族焼」。「つくね」も人気メニューだ。「一番搾り生ビール(中)」も、700mlの「淡麗(大)」も280円!!

「鳥貴族」吉祥寺北口店。40坪・87席は同社にとってスタンダードな規模店舗。パーテーションがあるので、個室風に楽しめるのが嬉しい

「鳥貴族」の人気の秘密は、なんといってもメニューにある。看板メニューである焼鳥は、提供された瞬間声を上げるほどのボリュームだ。他の飲食店や惣菜店を見ても、焼鳥は1本35~40gでも「結構大きいね」という感じ。しかし同店は基本、1本約60gが2本付け。看板商品の「もも貴族焼」や「むね貴族焼」になると、なんと1本あたり90g(ネギ含む)の2本付けというボリュームなのだ。肝心のお味はというと、とってもやわらかくジューシー。全くパサ付いていないのに驚いた。

1本90gといってもイメージがわかない方、これで少しは大きさが伝わるだろうか。持った瞬間、ずっしりくるこの感じ、他の焼鳥ではなかなか味わえない重量感だ

焼鳥はなんと各店舗でカット&串打ち

焼鳥は、開店前にスタッフが仕込む。肉はパーツごとに各店に運ばれ、店でカットし、串打ち。アルバイトスタッフ中心ながら、すばらしい手際のよさで次々完成

このおいしさの秘密は、国産の冷凍ではなくフレッシュ鶏を使用している点にある。さらには、セントラルキッチンではなく、各店舗で鶏肉をカットし、串打ちしているのも理由だろう。これは、200店舗以上を展開するチェーンとしてはかなり異色である。もちろん、セントラルキッチン制への移行案も何度となく出たそうなのだが、味へのこだわりで頑なに店舗仕込みにこだわってきた。

「とり白湯めん」や「チゲフォー」、「とり釜飯」などに使う鶏ガラスープも、鶏ガラを使って各店でとったもの。ごはんメニューに使用する米も国産を使用する。焼鳥用のタレは工場製だが、こちらは大阪本社の1階の工場で仕込むという自社製品。化学調味料無添加で、新鮮な野菜や果物をふんだんに使って仕上げており、こちらもこだわりの味だ。

焼自店でとった鶏ガラスープと国産米で炊き上げる「とり釜飯」。炊き上がるまで30分程度かかるが、炊き立てのホカホカがいただけるのはとっても嬉しい。これなら30分でも待つよ!

さらに70種類以上を揃えるドリンクも、全品280円(税込294円)。生ビール(「一番搾り生ビール(中)」400ml)ももちろんこの価格だし、なんと、700mlという巨大な「淡麗(大)」もスタンバイ。これなら、大酒飲みもお金を気にせず好きなだけ楽しめるだろう。その他、サワーやカクテル、日本酒、焼酎など一通り揃う。ワンショットながら「山崎10年」といった高級ウィスキーまで揃い、「本当に頼んでいいんですか!?」となんだかこちらが恐縮してしまうほどの豪華ラインナップだ。