近畿日本鉄道はこのほど、2013(平成25)年春デビュー予定の次世代「新型観光特急」の概要を発表した。伊勢神宮式年遷宮に合わせて、伊勢志摩地域の活性化を推進する"切り札"として導入されるとのこと。

大阪と名古屋から伊勢志摩方面を目指す「新型観光特急」の外観イメージ。6枚のガラスで鋭い多角形を構成した先頭形状に

「新型観光特急」のデザインを手がけるのは、近鉄の「アーバンライナー」「さくらライナー」「伊勢志摩ライナー」など代表的な特急をデザインした山本陸平氏。先頭車両(1号車と6号車)は多角形を用いたシャープな形状となった。ともに大きなガラスを採用したハイデッカー車両で、見晴らしの良さも保たれている。

先頭車両となる1号車と6号車の定員はそれぞれ27人。大型窓なのでダイナミックな車窓風景が楽しめる

車内の座席はすべて3列のハイグレードなシートに。座席前後の間隔は125cmで、広々とした空間が確保された。3号車は近鉄の伝統ともいえる2階建て車両で、1階はグループ専用席、2階はカフェテリアで軽い食事が楽しめる。4号車はグループ席車両で、4人で利用できる和風個室と洋風個室が1室ずつと、6人が座れるサロン席が3カ所設置される。

2階建て車両の3号車。1階(写真左)は8人が座れるグループ専用席で、キッズルームにもなるなど多目的に活用できる。2階(同右)は飲食が楽しめるカフェテリアで、展望性の良い窓側にカウンターが設置された

4号車では和風個室(写真左)、洋服個室(同中央)、サロン席(同右)を用意

車内には専属のアテンダントが乗車し、乗車記念品を配布するほか、車内限定となる有名割烹の特製弁当やスイーツも用意するという。優れたデザインに豪華な車内設備、そして最高のおもてなしで、「いままでにない『鉄道の旅』をご提供し、乗ること自体が楽しみとなる」(近鉄)車両になるとのこと。

同車両は6両2編成の計12両新造され、全車に横揺れ軽減装置が設置される。2編成のうち、1編成は大阪から、もう1編成は名古屋から、それぞれ伊勢志摩方面への運行を予定している。なお、同車両のデビューにあたっては、一般特急料金のほかに「新型観光車両料金」(仮称)も設定される。