国土交通大臣は26日、全国新幹線鉄道整備法第7条第1項の規定に基づいて、中央新幹線の計画を決定し、翌27日にJR東海に対して建設を指示した。JR東海は「早期実現に向けて努力する」とコメントした。
建設線の名称は「中央新幹線」、建設区間は東京都・大阪市。主な通過地は甲府市付近・赤石山脈中南部・名古屋市付近・奈良市付近で、いわゆる「Cルート」で、JR東海が2007年に「建設費用、期間について従来の検討ルートよりメリットが大きい」と新たに提案したルートとなった。走行方式は超電導磁気浮上式(マグレブ式リニアモーターカー)で、最高設計速度は時速505km。車両製造費用を含む建設費用の概算額は9兆300億円と記載された。
27日、JR東海は「中央新幹線の建設の指示を受けて」と題したコメントを発表した。「中央新幹線が構想段階から実施段階に入りましたので、当社は営業主体及び建設主体として、自治体をはじめ関係者の皆様のご協力をいただきながら、早期実現に向け努力してまいります」とのこと。
同社は23日、7月1日付で中央新幹線関連の組織改正を実施すると発表している。「東海道新幹線21世紀対策本部」を「中央新幹線推進本部」と名称を変更し、「建設工事部」が所管していた「東京建設部」を同本部に移管し「中央新幹線部」とするほか、新たに「環境保全統括部」を設置する予定。「環境保全統括部」は環境影響評価を着実に実施するための専門部署という。