楽天証券と楽天投信投資顧問は9日、2011年4月の『個人投資家サーベイ「楽天DI(※)」』を発表した。これによると、今後注目する投資先(複数回答)として、40.20%の人が「ブラジル」、34.33%が「東南アジア」と回答するなど、新興国市場関係がポジティブに見直される結果となった。
※ 景気判断に用いられる諸指標を選定し、現状認識がどちらの方向に向いているかを示す指数。「楽天DI」では、日銀短観と同じ計算方法を採用し、「(強気回答数-弱気回答数)÷全回答数×100」、「(円安回答数-円高回答数)÷全回答数×100」で算出。各指標の見方は、「日経平均DIがプラス→強気、DIがマイナス→弱気」、「為替DIがプラス→円安、DIがマイナス→円高」、すべての回答が中立だった場合、DIは0となる
アンケートは、楽天証券に総合取引口座を開設している人を対象に、2011年4月25日午前12時00分~2011年4月27日午前11時59分に実施。801人(うち男性667人、女性134人)から有効回答を得た。
これによると、4月25日と1カ月後の日経平均の見通しのDIは△29.21となった。また、4月25日と3カ月後の日経平均の見通しDIは△3.25だった。これについてサーベイでは、「2011年3月期決算の発表が本格化し始めたというところでの集計になったが、1カ月先の見通しについては従来よりもやや弱気の度合いを強め、反対に3カ月先の見通しはやや弱気の度合いを緩めたという感じの結果になった」としている。
為替相場の見通しについては、ドル/円DIが+9.61、ユーロ/円DIが+13.23、豪ドル/円DIが+28.59となった。サーベイでは、「前回に引き続き、傾向としては全通貨に対して円安基調を志向していることが見て取れる」としている。
今後注目する投資先(複数回答)では、40.20%の人が「ブラジル」、34.33%が「東南アジア」と回答。「アメリカ」と回答した人は28.71%、「中国」は29.46%だった。これについてサーベイでは、「ブラジル、東南アジア、中国といった新興国市場関係がポジティブに見直される中、米国が票を失ったという感じ」としながら、「ただ米国に関しては過去3カ月が連続でポジティブに7.4%も見直されていた流れにあるので、それ自体は大きな問題ではないかもしれない」と分析。
「むしろ、このところ低下傾向にあった新興国市場の注目度がプラス転換したこと、金融引き締めなどが気になるところの中国が2カ月連続でポイントを集めたことが注目だと思われる」と述べている。
また、今後注目する投資商品に関しては、前回比で+10.01ポイントと大きく数値を伸ばし、37.33%の人が「投資信託」と回答。サーベイでは、「実はこの数値、このアンケート開始以来最大の値となるもので、投資信託の注目度合いが高まってくれたことは大変嬉しい」としている。