『投資戦略フェア2011 エキスポバージョン』が2月19日、東京ドームシティ プリズムホール(東京・文京区)で開催された。同フェアでは、多数の投資・トレードに役立つツール紹介や、知識や技術が学べるさまざまな講演が開かれ、約2,500人が来場した。

同フェアはパンローリングが主催、今回が9回目の開催となる。東京証券取引所、大阪証券取引所、東京工業品取引所、NYSE Liffe、東京金融取引所が後援。フェアでは、AからDの4会場で、10:00~18:00の間に、各会場3~4つの講演が行われた。

ひまわり証券のブースでは、ミニセミナーを多数開催

講演のほか、外国為替証拠金取引(FX)などの投資商品を提供する各社がブースを出展。各ブースでは、投資ツールを実体験できる体験コーナーを設けたり、投資商品の資料を配布したりするなど、来場者にアピールした。このうち、ひまわり証券のブースでは、「エコトレFX」「ディールFX」「ひまわりFX」「ひまわり日経225miniアクティブ口座」を紹介するポスターが展示されたほか、これらの取引ツールを実体験できるPCも用意され、多くの来場者が体験していた。

『投資戦略フェア2011 エキスポバージョン』でのひまわり証券のブース

ひまわり証券は、これまで9回開催された「投資戦略フェア」に毎回出展している。同社営業企画グループ 証券企画チーム マネージャーの田村篤史氏は、同社がブースを出展する目的について、まず同社の「サービスを知ってもらうこと」を挙げた上で、「ネット証券なので、ブースを出展することで、お客さんと直接接しながら、声をかけてもらうことができること」が大きな目的であると話した。

同社のブースでは、同社のサービスに関連したミニセミナーを、ブース内で開催するのも特徴。田村氏は、「ミニセミナーも、お客さんに喜んでもらえるものとして、顧客満足度向上の一環として提供する」と話している。

今回同社では、ミニセミナーを計7回開催。「エコトレFX ミニセミナー」「日経225先物 アクティブ口座ミニセミナー」が各2回ずつ、そのほか、特別セミナーとして、「岩本祐介氏 ミニセミナー」「斉藤学氏 ミニセミナー」「杉田勝氏 ミニセミナー」を各1回開催した。

「日経225先物 アクティブ口座」は効率よく取引可

午前・午後に開かれた「日経225先物 アクティブ口座ミニセミナー」では、ひまわり証券の担当者が、アクティブ口座(先物証拠金割引口座)において、日経225先物・日経225miniがSPAN証拠金×30%で取引でき、資金効率よく取引することができることを説明。これによると、国内ではひまわり証券のみ、1単位9万9,000円で取引できるという。また、そのほかのアクティブ口座の特徴として、FXと同様、マージンカットを導入。自動的にある一定のラインまでいくと、ロスカットが入る仕組みとなっている。このため、「日中の取引の中では、リスクが考えられた内容となっているので安心してもらえるのではないか」(担当者)。

ひまわり証券では、アクティブ口座(先物証拠金割引口座)において、日経225先物・日経225miniがSPAN証拠金×30%で取引でき、資金効率よく取引することができるという

さらに、「目指せ常勝トレーダーキャンペーン」についても説明。初回入金30万円以上で、好きな書籍が一冊プレゼントされるほか、7年間無敗の常勝トレーダーHilton氏のセミナー動画も閲覧できる。さらに、同氏が「トレードシグナル」でのチェックポイントを示したワークシートも提供。トレードシグナルは、チャートが6分割だけでなく、「7分割、8分割…と、いくらでも分割可能」(同)。同キャンペーンは、3月31日まで実施されている。

昼休み廃止前は、前場終値と後場始値に「ギャップ」

午後の同セミナーの後、A会場で講演を行ったばかりの岩本祐介氏がひまわり証券のブースに駆けつけて、特別セミナーを行った。岩本氏は、日経225先物・FXを中心に売買システムを構築しているWest Village Investmentの取締役で自身もシステムトレーダー。監修、執筆に『トレードステーション入門』、『勝利の売買システム』など多数。今回のセミナーは、2月14日から日経225先物、日経225mini取引の昼休みが廃止となったことに関連して、「昼休み廃止! 225先物はどう変わる? 検証方法大公開」と題して開かれた。

岩本氏はまず、「昼休みが廃止となったことにより、前場から後場にかけて、つまり、昼休みの時間帯も取引が行われることで、これまでと異なる市場環境になる可能性があるのか? 可能性を探ってみたい」とセミナーの趣旨を説明。岩本氏は、自ら個人的に日経225の市場でトレードを行っているというが、「大証の日経225取引で最も困るのは、昼休みがあること」と指摘。

岩本祐介氏が、「昼休み廃止! 225先物はどう変わる? 検証方法大公開」と題してミニセミナーを行った

例えば、午前中に100円のロスカットを設定して、もう90円ぐらいまでいったとすると、あと10円でロスカットとなる。その時に前場が終わってしまった場合、前場終値と後場始値との差(ギャップ)が生じてしまうと、自分が想定する損失より非常に大きな損失が発生してしまう。過去データを見ると、実際、昼休みギャップ絶対値の平均値は、2008年は36.08円、2009年は20.12円、2010年は18.98円、2011年は10.00円で、総合すると24.62円。また、ギャップの最大値は、2008年130円、2009年160円、2010年90円、2011年30円。

岩本氏はこうしたギャップについて、「これが非常に嫌で、私は日経225はSGX(シンガポール取引所)で取引しています」と述べ、その理由として、「シンガポールの市場は昼休みがないので、大きなギャップを喰らうことがなくなる」ことを挙げた。

こうしたことを考慮すると、「大証の昼休みがなくなるのは、マイナスの面というのはなく、プラスである」と結論付けた。「特に、システムトレードをやっている人にとってはありがたいこと」であるとも付け加えた。

昼休みがなくなるのは、「基本的にはメリット」

さらに、大証の昼休みギャップがプラス・マイナス方向に大きかった日(大幅下落)の上位各5日と、各日のSGX225データ(11時から12時30分までの高値と安値の差)を比較。例えば、昼休みギャップがプラス方向に大きかった日のトップは、2009年12月1日で、ギャップ幅は160円だったが、ギャップが大きかった理由は、前場終了後に、日銀が臨時金融政策決定会合を開くと伝わり、追加金融緩和が打ち出されるとの見方から、円が急落するという出来事があった。一方、SGX225の11時から12時30分までの高値と安値の差も、175円あった。

こうしたデータについて、岩本氏は、「何かあった時にこういう大きなギャップがある。この"何か"とは基本的にサプライズ要因であるから、我々が予測するのは不可能。皆さんが備えなきゃならないのは、リスク管理。最初の話に戻るが、昼休みがなくなるというのは、想像以上のロスカットを被らなくなるということで、基本的にはメリットが大きい」との予測を示した。

E-miniS&P500先物 15分ごとの平均ボラティリティ(高値-安値)グラフ

さらに岩本氏は、昼休みがない例として、米国S&P500先物を挙げ、一日のボラティリティ(15分毎の高値と安値の差の平均値)、および、15分毎の売買高の平均値を表した表を示した。同氏は、S&P500先物のボラティリティと出来高の一日の平均的な動きについて、「やはりスタート地点から動いてだんだんボラテリティがなくなり、昼ぐらいから徐々にボラテリティが上がっていくという"なべ底型"の動きをしている。出来高も同じ傾向にある」と説明。「恐らく、昼休みがなくなった後の大証の日経225も、今後こういう風な傾向になるのではないか」との予想を示した。