セガの人気アクション・シミュレーションRPGシリーズ「戦場のヴァルキュリア」。作り込まれた世界観と斬新なゲーム性が人気を呼び、2009年にはTVアニメも放映されたが、今春よりOVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』の展開がいよいよスタートする。

OVAで展開する新たな物語。OVAはBlu-ray/DVDでの発売のほか、PlayStation Storeでのダウンロード配信も予定されている

今回のOVAでは、プレイステーション・ポータブルで発売中のシリーズ最新作『戦場のヴァルキュリア3』の物語をもとに、オリジナルエピソードを展開。友情やロマンスが大きな要素となったTVアニメとは違い、戦場下でのリアルを追求した、硬派なストーリーが描かれる。

■OVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』ストーリー概要
征暦1935年、ヨーロッパは戦火に包まれる。帝国と連邦、2つの大国の狭間に位置する小国ガリア。中立を掲げるこの国に、突如帝国軍が侵略を開始。後に語られる「ガリア戦役」が勃発した。ガリア軍期待の新人士官、クルト・アーヴィング少佐は身に覚えのない反逆罪でガリア軍422部隊、通称"名無しの部隊 (ネームレス)"へと落とされる。正規軍でありながら捨て駒として組織されたこの部隊は、名前を剥奪されナンバーで呼び合う懲罰部隊であった。ならず者や犯罪者、脱走兵など厄介な者ばかりが集められた最低最悪の部隊から這い上がるため、そして失った自分の名前を取り戻すために、クルトは隊長となって過酷な状況下で戦い続ける――

近藤監督&メインキャスト陣が語るOVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』

そして今回は前編のアフレコが行われたスタジオにお邪魔して、収録終了後、メインキャスト3人と近藤信宏監督にお話を伺った。

■中村悠一 (クルト・アーヴィング役)
アフレコはストーリーの時間軸と、ほかのキャラクターとの距離感を探りながらの収録でした。本作はとくに戦場でのアクションが多いお話だったので、セリフのなかにキャラクター性を加えつつ、なおかつなにを喋っているのか伝わるようにするというのは大変でした。また自分の演じるクルトは、クールですが熱くならないのかというとそうでもなく、戦闘シーンのなかでクルトのキャラクターを崩さずに演じるのは難しかったですね。重厚な展開の待つOVAですが、イムカとリエラは、ヒロインとしての魅力も、しっかり見せてくれますので、楽しみにしてください。またメイン3人以外のネームレスのメンバーも、それぞれに個性を覗かせてくれるので、ゲームをプレイした方にも新しい発見があると思います。「ヴァルキュリア」ファンの方に楽しんでいただけるOVAになっていますので、ご覧下さい。

■遠藤綾 (リエラ・マルセリス役)
重厚な世界観だというのはずっと感じていたのですが、アフレコでは専門用語が大変でした。銃についてなど、軍事的な知識も多少持っておかなきゃいけないと思いました(笑)。また今回OVAになったことで、ネームレスのなかにこういう仲間がいて、それぞれにどういう役割があってというのが、すごくよくわかりました。私の演じるリエラは、顔を赤らめたりと、イムカとは対照的にすごく女の子らしいです。でも彼女は、戦うときには戦うという存在なので、OVAではリエラの女の子らしい部分とかっこいい部分の両方を、見ていただけたらなと思います。また、リエラがクルトにムキになっているシーンがあったのですが、そのシーンでは戦闘から気持ちが一瞬離れたので、演じていて楽しかったです。ぜひOVAで、動く彼女たちの姿を楽しんでください。

■浅野真澄 (イムカ役)
OVAをやるという話を聞いたときから、アフレコが楽しみでした。イムカのツンデレな性格も、しっかりOVAのなかで描かれていました。もともと寡黙なキャラでそんなに口数が多くない彼女ですが、イムカ的においしいシーンがちゃんと入っていて「ありがとうございます」って思いながら、やらせていただきました(笑)。OVAでは、これまで想像でしか補えなかった部分が映像で見られ、「こういう世界なんだ」というのが、より頭のなかで肉厚になりました。また、ネームレスは癖のある人たちの集まりですが、困難なミッションに対して「よしやろう!」という感じで、みんなで団結している姿が見られてうれしかったです。個性的なキャラクターたちの活躍を、OVAで楽しんでください!

■近藤信宏監督
「戦場のヴァルキュリア」は、すでにしっかりとした世界観ができている作品なんですね。本作では銃の撃ち方など、「ヴァルキュリア」という作品の世界観のなかでのリアルを追求しました。その結果、自分としては「クルトやリエラたちに映像で会えたな」という気がしています。また、クルトたちにとって戦争というのは、すでに日常化しているものなんです。物語としての重厚さと同時に、ご飯を食べたり寝たりという、日常感も同時に出せればいいなと思いました。ゲームの評判がいいようなので、OVAも皆さんに楽しんでもらえたらと思っています。物語はちょっと濃い目に作っていますので、その濃さを楽しんでください。

(写真左から)近藤信宏監督、クルト役の中村悠一、リエラ役の遠藤綾、イムカ役の浅野真澄

OVA『戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡』は全2話、2011年春始動。

(C) SEGA/PROJECT VALKYRIA3