まさかのアニメ化が発表され、話題騒然となった『かってに改蔵』が、2011年4月よりOVAとして展開されることが明らかとなった。4月27日に上巻、6月22日に中巻、8月24日に下巻が発売予定となっており、全3巻ともBlu-ray/DVDでリリースされる。

『かってに改蔵』は2011年4月よりOVA全3巻で展開

それにあわせて、メインスタッフおよびキャスト陣も発表。総監督を新房昭之氏、監督を龍輪直征氏、構成を東冨耶子氏と高山カツヒコ氏、キャラクターデザインを山村洋貴氏がそれぞれ務め、アニメーション制作は既報のとおりシャフトが担当する。

注目のキャスト陣は、主人公の勝改蔵役を櫻井孝宏、名取羽美役を喜多村英梨、坪内地丹役を斎藤千和、彩園すず役を豊崎愛生、山田さん役を堀江由衣がそれぞれ担当。そこで今回は、第1話のアフレコ終了後にメインキャスト陣が語ったOVA『かってに改蔵』の魅力を紹介しよう。

メインキャスト陣が語るOVA『かってに改蔵』の魅力

――まずは作品に対する印象をお願いします

櫻井孝宏「今日実際に収録してみて思ったのは、あまり最近にはないお下劣な感じの作品で(笑)、こういうテンション、こういうノリの作品は、僕自身も初めてに近いかもしれなくて、すごく新鮮でした。ただお下劣なのではなく、ただお下劣なのかもしれないですけど(笑)、深読みしようと思えば、……深読みできないか(笑)。今日は、『考えちゃいけない、感じろ』というのをテーマにアフレコに臨んでいたのですが、とにかく衝撃度のすごく強い作品だと思います。動画になって、音声が付くと、ドラマCDのときとはまたちがった"ヤバさ"が出ていて、僕は非常に好きですね。目指せ地上波(笑)」

喜多村英梨「声優のお仕事をし始めた頃から、自分のブログにも書いたりするぐらい大ファンでした。そのころは脳内声優とか、そういうことはあまり意識せずに本当に感じるままに読んでいたのですが、その躍動感というより、先生の描かれる淡々としたシュールなお下劣ギャグが大好きで、このお話をいただいたときは、純粋に、ミーハーな気持ちでうれしかったです。まだ今の時点では、羽美ちゃんの知られざるといいますか、2面性のあるところまでは掘り下がっていないのですが、そういうおいしい役だったりもするということは重々承知なので、ぜひそのあたりも自分が声をあてられるように、期待しつつ、逆に不安もありながら、すごく意気込んでやらせていただいております」

堀江由衣「この作品は、まだそんなに巻数が出ていないころに友だちに薦められて、読んでみたことがありました。その後はすっかり忘れていたのですが(笑)、今回オーディションを受けさせていただいたときに思い出して、『ああ、懐かしい』みたいな感じで、あらためて読ませていただいたりもしました。ところどころその時代のモノを切り取ったのであろう場面もあったのですが、全体的にこういう作品は、みんな笑うし、みんな好きなんだろうなっていうことを肌で感じました。本当に時代を感じさせない作品で、今みても面白いです」

豊崎愛生「久米田先生の作品は好きで、『改蔵』もサンデーで連載していたころに読んでいました。オーディションのお話をいただいたときには『なんで今?』って気持ちもありましたけど(笑)、好きな作品に関わらせてもらえて幸せです。だから、当時読んでいた記憶と違っていたらいけないと思って、もう一度、読み直したりもしました。『改蔵』に出てくる個性的なキャラクターたちが大好きなんですが、今回収録したお話でも、強烈なインパクトのある人たちが登場していて、懐かしいし面白かったです」

斎藤千和「弟が毎週サンデーを買っていたので、私も『改蔵』を読んだことがあります。実は以前に一度、『絶望先生』の中で地丹くん役をやらせていただいていたことがあったのですが、今回のオーディションを受けるにあたって『改蔵』を読んで、地丹がどういうキャラクターなのかを改めて把握しました(笑)。なんというかその、ものすごくやりがいがある役だと思います(笑)。きっと普段どころか、今まで生きてきて一度も言ったことがない言葉をたくさん言うことになるので、今からすごく楽しみです(笑)」

――ご自分が演じるキャラクターについての印象を教えてください

櫻井「収録が終わった後、すがすがしい気持ちになりました(笑)。この勝改蔵君というのは、言葉で表現しようとすると本当に卑猥な人といいますか、不思議な人で、子どものころを思い出すような可愛らしさを感じます。子どもが興味を示すもの、特に男の子が興味を示すもの、そういうものを共有できるキャラクターだと思うので、懐かしいなと思ったのと同時に、何となく共通するところもあるのかなと思いました。すごくシンプルでナンセンスなのかもしれないけどどこかハイセンスなこの作品において、この改蔵君というキャラクターは、本当にシンボルのような存在になっているのではないかと思います。カッコつけて言うなれば、ですけど(笑)。ほかのキャラクターもだいたい普通ではないので、実際に観ていただいて、皆さんが思ったとおりに感じてもらえればいいのではないかと思いますね」

喜多村「羽美ちゃんの周りは全員ボケキャラということで、先ほど堀江さんと休憩中にお話をしていて、『周りがボケだからこそ、羽美ちゃんの普通のツッコミも目立つんだよ』って言ってもらえたのですが、私自身は周りの熱にやられすぎて、何か自分の役が霞んでないかと不安さえ覚えたぐらいです。皆さんのすごいボケ、何か体育会系? という感じでさわやかにかつ熱血なボケに、女子らしく普通にツッコんでいけたらいいなという意識でやっていたのですが、その普通さが羽美ちゃんの良さでもあり、そこをキッチリとやっておくことで、もし掘り下がったときの羽美ちゃんのもう一つの顔みたいなところが引き立つのではないかと期待しております」

堀江「山田さんはですね、正式な役名が『美人で有名なクラス委員の山田さん』ということで、役名だけでもテンションが上がる感じなのですが、何か事件が起こるときの第一被害者みたいな役どころになっていて、きっと何か被害に遭ってしまう要因が山田さんの中にあるのではないかと思うので、ちょっと変わったキャラクターたちの中で、一番最初のターゲットにされやすいようなキャラクター作りができたらいいなと思ってます」

豊崎「彩園すずちゃんは、どんなときも冷静で、一歩引いたところから周りを見ている女の子ですよね。ずっと無表情だし、大きなリアクションはとらないタイプなので、みんながドタバタしているときでも、ひとりだけ冷静なお芝居をする役です。私自身としては、『ドタバタにまざりたいな』と思いながらも、周りのみなさんの熱い演技に乗っかり過ぎないよう、我慢しながら演じています(笑)。これまであまりチャレンジする機会のなかったキャラクターなので、勉強させていただきながら演じていこうと思います」

斎藤「地丹くんはすごくパッションがあるのですが、それが空回れば空回るほど面白いキャラクターだと思ってます。声や感情がすんなり綺麗に出てくるのではなく、一度地丹くんの中でこんがらがって、ぐちゃっと混ざってから暴発する感じを意識しています。あとさっきも言いましたけど、二度と言う機会のない言葉が多かったり、男の子役だからこそ口にできる言葉もたくさんあるので、楽しみだし、テンションが上がります(笑)」

(次ページへ続く)