こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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ニコニコ動画では現在、多数の歌い手が「歌ってみた」というカテゴリで活躍しています。

そんな中、熱い歌声と伸びのある高音で一際高い人気を誇っているのが「やまだん」。

ニコニコ動画の公式イベント「ニコニコ大会議」の常連であり、先日行われたニコニコミュージカル「ニコニコ東方見聞録」では堀江堀衛門役で出演するなど、幅広く活動を続ける彼の魅力について、今回はご紹介していくことにしましょう。

――さて、ニコニコ動画で「歌ってみた」文化が花開いたのは、2007年の春から夏にかけてのこと。

多数の人気シンガーが登場しファンを獲得していく中、9月26日にひっそりと一つの動画が投稿されました。


「やまだん」の記念すべき初投稿作品となったこの動画は、その高い歌唱力で多くのユーザーを驚かせたものの、ランキングに入るところまでは伸びず、その後やまだん氏が投稿した動画もクオリティに反して今ひとつ伸び悩むという状況が続いていました。

しかし、10月に入り状況は一変します。


当時、「歌ってみた」で人気のあった「組曲『ニコニコ動画』」を投稿すると、これが一気にブレイク。総合ランキング入りを果たし、「やまだん」の名前は一気にカテゴリ内に響き渡ることになります。

JAM Projectを彷彿させる熱い歌声と圧倒的な歌唱力、そしてところどころに仕込まれたネタは見事にニコニコ動画ユーザーの心を捉え、その後のやまだん氏の快進撃の第一歩となったのでした。


また、この頃からやまだん氏は歌い手のコラボ企画にも積極的に参加。特に氏同様に熱い歌声を持つ「湯毛」とは2007年末に「軟鉄兄弟」を結成し(これはもちろん鋼鉄兄弟のパロディ)、動画のみならずライブにもユニットで登場するなど現在に至るまで息長く活動を続けています。


そして2008年早々に投稿された「SKILL」の完成度の高さにより、もはやニコニコ動画におけるやまだん氏の評価は揺るぎないものになります。

なお、この時ユーザーからつけられた「JAMおじさん」というタグは本人も気に入っているらしく、自らタグロックしたことにより現在でも彼の愛称の一つとして定着しています。


そんなやまだん氏にとって、一つの転機になった動画がこちら。某ショッピング番組のパロディとして投稿した「ジャパネットやまだん」では湯毛と共に"顔見せ"してモノマネを披露。「顔の見える歌い手」になったことで、その後もさらにファンを増やしていくことになります。


「ゴム」「豚陽座」といった人気のニコニコアーティストと共演した、顔出しでのライブ動画も話題になりました。ここでやまだん氏が着用している卓球のユニフォームは、これ以降も彼の定番の衣装として使われています。


順調に活動を続けるやまだん氏のもう一つの大きな転機になったのは、2009年の「ニコ生☆生うたオーディション」への参加でした。ファイナルに進出するも残念ながら入賞できなかったやまだん氏には、ひろゆき氏から「無冠の帝王」というあまりありがたくない称号(?)が与えられたのでした。


とはいえ、彼がオーディションのファイナル審査で見せたパフォーマンスは、成績以上に観客とユーザーの心をつかみ、ここでもまた多数のファンを獲得したことは間違いありません。



ニコニコ大会議やニコミュへの出演など、公式の活動も増えてきたやまだん氏ですが、現在でもニコニコ動画には様々な楽曲を"やまだんスタイル"で投稿しており、また最近では生放送も始めたようです。

……それにしても、やまだん氏が動画を初投稿した2007年から早3年以上──まさかここまでの活躍を当初誰が予想していたでしょうか。

彼のようにニコニコ動画によって見出され人気を得た"ニコニコアーティスト"に、今後も引き続き注目していきたいと思います。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。