昨日の欧米市場

アジア時間までは若干リスクテイクの展開だったが、英格付け機関がアイルランドの格付けをBBB+に引き下げたことや、ギリシャのGDP成長率の下方修正、ECB月報における雇用情勢に対する懸念などユーロ圏の悪材料が重なったことでユーロ売りが加速した。欧米ファンド筋からの大口の売りが観測され、対スイスフラン・対円でも売りが出た模様。

欧州株式市場はこの流れを受けて軟調に推移したが、アメリカの新規失業保険申請件数が若干低下傾向を示したことで米株式市場が比較的堅調になったことから、ドイツ市場以外ではプラス圏に戻る展開となった。

ただ、欧州に対する懸念は継続され、NY時間に入って、米格付け機関がポルトガルの金融機関格付け引き下げの可能性を示唆し、アイルランド労働党の支援プランに対して反対票を投じるという話題に加え、市場ではイタリアの格付け引き下げ観測も出るなど、ユーロにとってはネガティブ要因ばかりで、対ドルで1.3200を一時割り込む展開となった。

その後、注目されていた米30年債入札は順調に消化されたことで米金利が低下。短期筋の動きも手伝って、為替市場ではややドル売りの展開となった。ドル円はクロス円の売りと金利低下に伴うドル売りから83円台後半でのもみ合いとなった。株式市場では、金融銘柄が著名ファンドからのコメントで比較的堅調に推移するも、マクドナルドやデュポンなどの業績見通しが重石となりまちまちの展開だったが、米ハイテク市場は今年の高値を目指す展開となり、米金融関係者の間ではポジティブなムードとなっている。

本日の主要経済指標

・08:50 日本 : 10-12月法人企業景気予測調査

・08:50 日本 : 11月企業物価指数

・午前中 中国 : 11月貿易統計

・16:00 ドイツ : 11月卸売物価指数

・16:45 フランス : 10月鉱工業生

・18:30 イギリス : 11月生産者物価指数

・22:30 アメリカ : 11月輸出入物

・22:30 アメリカ : 10月貿易収支

・23:55 アメリカ : 12月ミシガン大消費者信頼感指数 速報値

・04:00 アメリカ : 11月財政収支

要人発言

・15:20 山口日銀副総裁 パネルディスカッションで講演

・01:15 トリシェECB総裁 セミナーに出席(マドリード)

・N/A 独仏首脳会談

アジア時間の見通し

オバマ大統領が発表したブッシュ減税措置の延長を受けて米株式市場では比較的楽観的なムードが広がっている。また、米債入札も順調に消化したことで、年末までは現状の高値水準が維持されるのではないかという観測が多いようだ。

逆に、欧州の方では問題視されている欧州諸国に対する懸念に加え、欧州系金融機関の融資額・格付けの話題が重石となっており、アジア・米市場とは若干温度差がある地合い。そうなると気になるのが今日のアジア市場の展開。アジア時間においては、午前中に発表予定の中国の貿易統計に加え、週末発表へと前倒しされた他の中国経済指標に絡んだ思惑からの動きがありそうだ。市場では中国人民銀行の政策金利引き上げの可能性が既に織り込まれつつあり、むしろどの程度の引き締め政策が行われるのかが話題になっている。中国の不動産市場の実際の価格推移と発表されている内容との間に食い違いがあるのではという指摘も海外では聞かれており、同政策の内容に注目したい。

以上を踏まえると、アジア時間ではリスクテイクの地合いも模様眺めか利益確定優先となるのであろうか。

一方、為替市場では米金利の展開に振られやすい地合いにある。ただ、30年債入札が好調とはいえ、10年債利回りはその影響を受けても3%台を維持しており、市場の米経済に対する楽観的なムードがあるうちは、米ドルはサポートされやすいかもしれない。

欧州に関しては、昨日の海外時間で話題になったソブリン格付け等の引き下げ懸念や、支援が決定されているアイルランドの政局不安から緊張感はそう簡単に緩みそうもない。その上、ユーログループの間で話題になっている欧州債発行・支援ファシリティーの拡大に対してECBやドイツ・フランス側の抵抗もあり、支援体制が十分ではないという懸念が市場関係者の間ではあるようだ。

そのため、昨日雇用統計を受けて上昇していた豪ドルも、ユーロの対ドルの展開を受けて堅調地合いが削られ、0.99台目前に反落した。こういった中、ニュージーランド中央銀行(RBNZ)総裁からのハト派コメントが今朝出たことで、NZドルは軟調に推移している。ユーロおよび隣国のNZが軟調な展開が継続されるのであれば、クリスマス週間を控えての利益確定の動きがクロス円でも出てくる可能性はあるだろう。中国株式市場の展開や豪ドルの展開に影響を与えやすいCRB指数の構成銘柄である資源関連の動き(金、銀、銅など)はチェックしておきたい。

ドル円は、こういった他の通貨に対するドルの買い戻しとクロス円・米金利低下という板挟み状態で83円台後半を中心としたもみ合いとなりやすいか。市場では83.50以下では買い、84.40以上では売りが控えているといわれている。