「Mad Science」を書いた目的


──話が戻りますが、「Mad Science」のような、楽しい科学実験を文章と写真で解説するといった本はこれまでにもたくさんありましたが、本書はそれらの本よりずっと過激で、「教育書」とは思えない雰囲気ですよね

グレイ 教育をする際には、2つのことを考えなければいけない。ひとつは、「習いたい」と思わせること。そしてもうひとつは「どう教えるか」という、教える側の問題だ。この本で私が力を入れたのは、子供たちが科学に興味を持ち、科学を習いたいと思ってくれるようにするということなんだ。

──それで、面白い実験がたくさん紹介されているのですね

グレイ 実験を扱った他の本との違いは、普通は全部「誰もが家でできる実験」が書いてあるものなんだよ。でも私は、確かにできる実験も入れたけど、できそうにない実験も入れることにしたんだ。危なくはないんだけど準備が大変なものとか、とっても危険で自分でもためらった実験もあったよ(笑)

──たとえば、日本の子供たちでもできそうな実験はありますか?

グレイ 入っているよ。たとえば、最初に見せた「いたずらスプーン」なんかはそうだ。とっても安全だし、費用もそれほどかからない。

──この本には詳細な「やり方」(HOW TO)も書いてあるので、なんとなくできそうな気がしてしまう実験も多かったのですが、さっきの「危険すぎる製塩法」のお話にあったような、万全の知識があってはじめてできるという実験もあるのですね

グレイ それは実験によるということだ。誰にでもできる実験もあるし、そうでないものもある。そういう実験を意識して混ぜたんだ。実際にできなくても読むだけで面白い実験はあるし、そういう実験を本から外したくなかったからね。科学に興味がない人にも科学を面白く感じさせるには、「液体の入ったビーカー」とかじゃなくて、何かを爆発させるような、科学者しかできないような実験を見せることが必要だと思ったんだ。

グレイ 子供たちに知ってほしいのは、たとえばビデオゲームが好きだとして、それができているのは科学のおかげだということ。世の中で役に立っている技術は、科学者がそれを考えてきたからだということだ。

──本日はありがとうございました

取材を終えて

「Mad Scientist」という原題、そしてまさにMadと思える実験の数々を公開してきたことから、なにかもっと過激な人物であることを想像してしまっていたのだが、実際のグレイ氏はとてもクールで、丁寧な説明をしてくれる、まさに「教育者」と技術者」の両面を兼ね備えた人物だった。ただし会話のはしばしに、面白いことを相手に伝えたいという情熱が垣間見えたのが印象的だった。

セオドア・グレイ 著『Mad Science─炎と煙と轟音の科学実験54』(サイン入り)+「いたずらスプーン」セットを2名様にプレゼント!

2010年11月30日までにご応募いただいた読者の中から抽選で2名様に、セオドア・グレイ 著『Mad Science─炎と煙と轟音の科学実験54』(サイン入り)と「いたずらスプーン」のセットをプレゼントいたします。

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応募方法 : マイコミジャーナル会員でない方は、「プレゼントに応募する」ボタンをクリックして案内に従って会員登録を済ませてからご応募ください。※会員登録されていても追加情報の登録が必要な場合があります。

賞品名:セオドア・グレイ著『Mad Science─炎と煙と轟音の科学実験54』(サイン入り)+「いたずらスプーン」セット(抽選・2名様)
応募締切:2010年11月5日(金)
発表方法:2010年11月9日(火)、当選者発表ページにて発表させていただきます。